【石川かおりの番組制作会社潜入レポート】第5回:ディレクターになれない会社!?鍛え上げられた者だけに与えられる称賛と名誉
テレビ番組制作会社の中で、“大手”“老舗”とされるA社にお邪魔した。
10人抜きでディレクターに昇格
A社は、アシスタントディレクター(AD)からディレクターになるのが他社に比べると物凄く厳しい。
それだけレベルの高いディレクターが揃っているという事なのだが、免許皆伝への道は険しさを極めるのだ。
そんな中で見事ディレクターとなったスタッフがいる。
しかも驚きの10人抜きでの昇格だ。
彼は現在20代後半。新人ディレクターとしては良い年頃だ。
いかにもクリエイティブ然とした雰囲気を持っており、群を抜いて“凝り性”
自分で撮った写真を加工してデスクトップに張り付けたり、
アレンジして番組にも使用するなど、
ビジュアルと作品の仕上がりには並々ならぬ“こだわり”を持っている。
もちろん番組制作においてもいかんなく発揮している事は言わずもがな。
巣立ちを応援
一昔前までほどにないにせよ、実力があって自分で稼げるディレクターは
フリーとなって巣立っていく。
A社も同じで、トップクリエイターになったと思ったら“フリー宣言”という確率は高いそう。
実際に、A社出身の番組制作会社の社長は多い。
法人化しないで活躍しているクリエイターを含めればかなりの人数を輩出しているだろう。
長くの戦力として活躍して欲しいのはもちろんだが、
A社はフリーになる社員を応援してきた。
どこに行っても通用するスタッフを育てたいと思っている。
長寿番組の苦悩
A社は何年も続いている長寿番組を多数制作している。
毎週放送されているレギュラー番組なので、総制作数は膨大である。
視聴者を飽きさせず、数字を取るのは並大抵の事ではない。
しかも、視聴率の良し悪しだけで続くものではないのがテレビ番組の面白いところである。
価値のある番組として認定されてこその長寿番組なのである。
A社も一番長く続いている某番組に特に厳しい制作姿勢を持っているそう。
取材を終えて
よく、「上が詰まっていてあがれない。」とか、
「なかなかディレクターにしてくれない。」という理由で別の環境を求める方がいます。
はたして年数が経てば順番にディレクターにしてもらえる会社が果たして良いのでしょうか?
A社のように、本当の実力がつくまで鍛え上げて、
自信が持てるレベルまで持って行ってはじめてディレクターにする方法こそ、
実は本人のためになるのでは?と考えさせられました。
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