先日、知らない人はいないというほどの大企業に勤める友人と会ったのですが、「もう転職したい」と言うので理由を聞いたら、、、

中途採用で入社して4年目で、「仕事は一通り覚えたし、飽きた」と言うのです。

この友人に限らず、「仕事を辞めたい」と思う方はもちろんたくさんいますが、どうしてそう思うのか冷静に考えることは重要です。

①まずは自分の感情と状況を整理する

なぜ辞めたいと感じているのか原因を分析する

「仕事辞めたい」と感じたとき、その感情の根本的な原因を分析することです。
人はさまざまな要因で辞めたいと感じることがありますが、それが業務内容への飽き、長時間労働、職場環境の悪化、評価の不満など具体的にどの部分に起因しているのかを明らかにすることが重要です。
「転職したい」と思う感情が本当に今の職場にある問題からきているのか、それとも単なる一時的な疲労や気分なのか。
冷静に分析をすることで、感情的な判断を防ぎ、最適な解決策を見つけることができます。

仕事のどの部分がストレス要因となっているのかを特定する

「仕事辞めたい」と思う理由が漠然としているままでは、次の行動に移すことが難しくなります。
そのため、仕事における具体的なストレス要因を特定することが重要です。
例えば、単調でルーティン化した業務に飽きている、上司との関係が悪い、あるいはキャリアアップの機会が見えないといった理由が挙げられるかもしれません。
どの部分が自分にとって負担となっているのかを明確化することで、今の仕事を改善する努力をするのか、あるいは転職という選択肢を検討するのかが判断しやすくなります。

感情的ではなく、冷静に自分の立場やキャリアを考える

感情的に「仕事辞めたい」と感じたとき、すぐに行動に移すのは危険です。
一度冷静になり、自分の立場やキャリアについて見つめ直す時間を作りましょう。
現在の仕事で得られているスキルや経験を振り返るとともに、それが今後のキャリアアップにどう繋がるのかを考えることが大切です。
また、辞めることで得るものだけでなく、離職や転職活動に伴うリスクについても理解しましょう。
感情だけで判断するのではなく、長期的な視点で自分にとって最善の選択を検討することが必要です。

現在の仕事におけるポジティブな面を挙げてみる

「仕事辞めたい」という気持ちが高まると、どうしてもネガティブな側面ばかりが目につきやすくなります。
しかし、今の仕事におけるポジティブな面を挙げてみることも大切です。
例えば「仕事を覚えたことで自信がついた」「スキルアップの経験が得られた」「職場で信頼関係のある同僚と出会えた」など、現在の環境の中で良かった点をリストアップすることで、見方が少し変わるかもしれません。
こうした振り返りが、新しい目標を設定するきっかけや、今後のキャリアにポジティブな影響を与えるヒントになることもあります。

②辞める前に様々な選択肢を検討する

異動や働き方の変更を上司に相談する

「仕事辞めたい」と感じる場合、まずは社内での異動や働き方の変更が可能か検討してみることをおすすめします。
現在の部署や業務が原因で悩んでいる場合、環境を変えるだけでストレスが軽減される可能性もあります。
また、完全に転職を決断する前に、上司に率直な気持ちを相談し、自分のスキルや希望を活かせる部署への異動やリモート勤務などの柔軟な働き方を提案するのも効果的です。
異動が実現すれば、新たな環境でモチベーションを取り戻すことができるかもしれません。

自分がやりたかったことと現状とのギャップを確認する

仕事に対して「飽きた」や「キャリアアップしたい」という気持ちが生じた場合、自分が本来やりたかったことと現状のギャップを確認することが重要です。
現在の仕事が当初描いていた理想とは異なる場合、そのずれが不満や退職願望につながっている可能性があります。
この際、過去に抱いていた目標や興味を思い出し、「今の仕事で実現可能な部分は何か」を考えてみてください。
このプロセスを通じて、不満を解消するための具体的な行動を起こせる場合もあります。

社外活動やスキルアップの機会を活用できないか考える

仕事に「飽きた」と感じる理由の一つに、日々の業務がルーティン化し、新たな刺激が得られないことが挙げられます。
このような状況に対処するためには、社外活動やスキルアップの機会を活用することが有効です。
たとえば、資格取得のための勉強やセミナーへの参加を通じて新しい知識を得るなど。
社会人として成長することで、「転職成功」や「キャリアアップ」を視野に入れた行動にもつながるかもしれません。
また、社外活動を通じて得られたネットワークが、将来的な転職希望の際の助けになる可能性もあります。

短期的感情ではなく長期的なキャリアを見据える

「仕事辞めたい」と感じた際には、その決断が短期的な感情によるものかどうかを振り返ることが大切です。
一時的なストレスや感情的な要因で急いで辞めてしまうと、転職した先で再び同じ悩みを抱えるリスクがあります。
そこで、長期的なキャリアプランを見据え、自分が今後どう成長していきたいのか、どのような分野で活躍したいのかを明確にすることが必要です。
そのためにも一度自己分析を深め、転職理由を明らかにしながら、自分のスキルや経験を最大限に活かせる道を考えることが大切です。

③転職を視野に入れる場合の準備と注意点

転職を考えるべきケースとそうでないケースを理解する

転職を考える際にはまず、今の「仕事を辞めたい」と感じる理由を整理し、自分にとって転職が最適な選択肢であるのかを見極めることが重要です。
例えば、業務内容に飽きた、評価されないと感じる、あるいはキャリアアップしたいといった具体的な理由がある場合は、転職を前向きに検討して良いでしょう。
一方で、一時的な人間関係のトラブルや短期的なストレスだけが原因の場合、転職が問題解決に繋がらないこともあります。
特に感情的な判断で行動を起こすと、「こんなはずではなかった」というケースに陥りやすいため慎重な判断が必要です。

自己分析を深めてキャリアの方向性を明確化する

転職活動を成功させるためには、まず自己分析を行い、キャリアの方向性を具体化することが最も重要なステップです。
自分の強み、好きな仕事、これまで培ってきたスキルを振り返ることで、自分が今後どのような目標を持つべきかを考えることができます。
「なぜ転職したいのか」という転職理由を整理することで、自己理解を深められます。
また、「このままの仕事で本当に良いのか」「キャリアアップをどのように図るべきか」といった点も併せて検討することで、転職活動を進める際の軸が明確になります。

転職エージェントや求人情報を活用し市場調査を行う

効果的な転職活動を行うには、転職エージェントや求人情報を上手に活用して、業界や職種の市場動向を把握することが必要です。
特に「仕事探し」に慣れていない方にとって、プロの意見は非常に参考になります。
自分の適性や希望に合った求人情報を提案してもらうことができるだけでなく、履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策についてもアドバイスを受けることが可能です。

転職先で後悔しないための情報収集方法

新しい職場環境で「転職先を選び間違えた」と後悔しないためには、事前に十分な情報収集を行うことが必要不可欠です。
転職希望先の企業について、社風や働き方、給与や福利厚生、職場環境などを可能な限りリサーチしましょう。
自分に合った企業文化か、仕事内容がやりたい方向性と一致しているかを確認することが、転職成功の鍵を握ります。
さらに、転職理由を明確に伝えられるよう、企業研究とともに自分自身のキャリアプランを整理しておくことも大切です。

今後の行動に移すための具体的なステップ

辞めても良いという覚悟と計画を持つ

「仕事辞めたい」と感じたとき、その気持ちを抱えたまま行動せずにいるとストレスが増大する可能性があります。
そのため、まずは「辞めても良い」と覚悟を決めることが大切です。
この覚悟は、実際に辞めるという決断だけでなく、自分のキャリアアップや転職希望をより真剣に考えるきっかけになります。
ただし、感情的に決断するのではなく、冷静に計画を立てましょう。
将来的にどのような方向性を目指すのか、転職理由を明確にし、必要な準備を整えることが重要です。

スケジュールを決めて必要な準備を進める

具体的な行動に移すためには、スケジュールを決めることが効果的です。
例えば、転職希望の場合、自己分析やスキルアップのための勉強にどれくらいの時間を確保する必要があるのかを見積もり、それに基づいて計画を立てます。
また、転職活動においては、求人情報の収集や転職エージェントへの登録なども含め、段階的に進めるのが良いでしょう。
しっかりと準備を進めることで、転職成功の可能性を高め、後悔のない決断をすることができます。

自分一人で悩むのではなく信頼できる人に相談する

仕事や転職の悩みは誰かに話すことで意外と解決の糸口が見つかることがあります。
「仕事覚えたけど飽きた」という気持ちや「もっとキャリアアップしたいけど方法が分からない」といった悩みは、信頼できる上司や同僚、友人、または家族に相談してみましょう。
自分とは異なる視点からの意見を得られることで、物事をより冷静に考えられるようになります。
また、転職相談であれば専門の転職エージェントを活用するのも良い方法です。
仕事探しのプロに相談することで、適切なアドバイスを得られる可能性が高まります。

最終決断をする前に柔軟な選択肢を模索する

最終的に辞めるという結論を出す前に、現在の状況を改善できる選択肢がないか検討してみましょう。
たとえば、部署異動や働き方の変更、さらには社外活動を通じて新たな経験を得ることが考えられます。
また、自分がやりたかったことに関連する業務を会社内で模索することも1つの手段です。
一時的な感情に流されるのではなく、将来的なキャリアップを見据えた柔軟な選択肢を探ることで、より納得のいく決断をすることができます。

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国家資格キャリアコンサルタント
石川 かおり