中途入社で上がる?下がる?給与の決め方
「前職の給与を落としたくない」「経験があるから給与で評価してもらいたい」など、中途入社を希望する求職者の方達には給与条件も大事なポイントとなります。
しかし、マスコミ・エンタメ業界独特の給与基準や、企業によって規定の給与設定がある場合、希望通りにはいかないこともあります。
転職はしたいけど、給与で悩んでしまった求職者の皆さんがいました。
社会人経験を考慮?
不動産会社の営業として4年目になるIさん(26歳)
大学の就活時にテレビ業界を志望していたそうです。
20代後半になり、チャレンジするなら最後だと考え、番組制作会社の中途入社を目指すことにしたのですが・・・。
Iさん「新卒と同じ給与はちょっと・・・」
新しい世界に未経験としてチャレンジするからには、ある程度の給与ダウンは覚悟していました。
しかし、実際に番組制作会社を受けてみて、提示される給与が新卒と同じことにショックを受けたのです。
Iさんは、3年間の社会人経験を考慮してもらえるだろうと考えていたのですが、未経験者ならば新卒も中途も同じ基準になってしまいました。
前職の経験や年齢を考慮して給与を決める番組制作会社の方が少ない現実があります。
Iさんは給与基準の高い番組制作会社から受けることにし、少しでも社会人経験を考慮してくれる会社を探すことになりました。
スキルに自信あり!
短いアシスタントディレクター(AD)時代を経て、番組ディレクターとして活躍しているMさん(25歳)
18歳から番組制作会社に入社し、約7年間の番組制作歴があります。
テレビ番組以外の映像コンテンツを制作している会社への転職を希望しているのですが、経験年数なりの給与を求めていました。
しかし、なかなか希望通りの給与を提示してくれる会社が見つかりません。
ディレクターとしてのスキルや経験を認めてくれないわけではないのですが、年齢から算出すると、Mさんが求める給与は30代の給与基準に当てはまるところばかりだったのです。
Mさん「制作に年齢は関係ないと思う」
Mさんはこれまでの経験を給与として評価してくれる会社を探しています。
キャリアチェンジは損!?
番組アシスタントディレクター(AD)として5年間勤務していたFさん(28歳)
30代を迎える前に生活を変えたいと思うようになり、制作デスクへキャリアチェンジすることにしました。
ただ、制作デスクの求人情報を見て、Fさんは躊躇いが生まれてしまいました。
どこの求人を見ても、AD時代よりも月給で3~4万円ほど下がってしまうのです。
Fさん「ADの時より下がるのは嫌・・・」
同じ番組制作の仕事でも、ADと制作デスクでは給与基準が異なる会社があります。
制作デスクの方が、ADの給与よりも低い設定とする会社は多い印象です。
制作デスクは、土日祝休み(あるいは週休2日)で徹夜勤務がないことも関係はあります。
それこそがまさにFさんが制作デスクにキャリアチェンジする理由なのですが、やはり給与が下がってしまうのは抵抗があるようです。
給与の決め方
会社が給与を決める際、だいたい4つのベースがあります。
①年齢
②勤続年数
③職務
④職能
上記3名の壁となったのは、、、
Iさん⇒職務と職能
番組制作職は未経験、もちろん能力も一からつける段階です。
Mさん⇒年齢
職務と職能はあっても年齢給で決まってきてしまいます。
Fさん⇒職務
職種を変えることによって、給与基準も変わってしまいました。
年齢や勤続年数を重視する年功序列を廃止する会社は近年増えてきました。
そのような会社は、Mさんのように能力がある方を優先して評価します。
また、新卒(未経験)だからと言って、スタート給与が一律という考え方も変わってきています。
しかしながら、まだまだ一般的な会社の規定に縛られている(変えられない)ところは多くあります。
ただ、目先のことだけではなく、入社後のキャリア形成や昇給の可能性、賞与などのプラスアルファをよくよく会社と話し合った上で、今のベストを模索していくことも必要かと思います。
≪石川かおり≫