5年目のアシスタントディレクターが転職する理由
番組制作スタッフとして働いている方が転職するには何らかの理由があります。
未経験でテレビ業界に飛び込んだ時とは異なり、働いてみて感じたことや、新たな希望が出てくることも多々あります。
昨年末にキャリアトレインの転職サポート面談でお話ししたOさん(26歳)もその一人。
Oさんは中堅の番組制作会社に新卒で入社して、現在5年目になりました。
現在はチーフアシスタントディレクターとして担当している番組になくてはならない存在になっています。
そんなOさんが転職を考えるようになったのは最近のことではありません。
この1~2年悩んで悩んで、転職(別の番組制作会社に移る)という結論を出したのです。
現役ADが会社を移りたい理由
Oさんには大きく3つの転職理由があります。
①ディレクターになりたい
アシスタントディレクターとして5年目になるOさんには、ディレクターデビューの機会が訪れても良いはずです。
決して能力がないわけでもないのになぜ機会がないのか?
Oさんはこう考えています。
■会社にシステムがない
ディレクターに引きあげる教育システムがなく、行き当たりばったりで何となくデビューしていく感じがする。
■下が入ってこない、育たない、辞めていく
後輩アシスタントディレクターがなかなか入ってくれない。
やっと入ってきてもすぐに辞めてしまう。
結局後輩が育たないので、アシスタントディレクター業務は全部Oさんに回ってきてしまいます。
それに引きかえ、上は詰まっているのでなかなかディレクターに上がれないと感じている。
②人が足りない
上記の理由と被る部分はありますが、会社として求人活動を積極的に行わないのでいつまで経っても人が足りない。
ディレクターになるどころか、下の業務をすべて担当しなければならず、休日もままならず徹夜続き。
「自分ばかりが損している」と考えるようになった。
③違う番組を担当したい
Oさんの会社は、ある特定のテレビ局の番組制作がほとんどです。
長く続く大きな番組を担当しているので抜けられない現状があります。
Oさんは他局の番組を制作してみたい気持ちが新卒の頃からずっとあったのです。
転職しない方が良い?
案の定、Oさんが会社に退職意思を伝えたところ、猛烈な引き留めにあいました。
「人を増やす」「4月になれば新卒が入ってくる」「他局の番組がしたいなら派遣も可能」
しかし、こんなことはここに至るまで何度も会社と話してきたことです。
改善されずに5年目を迎えたOさんにはもはや閉塞感しかありません。
転職して一筋の光が見えるなら、すがろうとするのは自然です。
Oさんに後悔はありません。
4年間番組制作に携わったからこそ見えたことを活かせる会社選びを始めました。
キャリアトレインとしては、Oさんの優先順位を整理しながら山ほどある制作会社の中でOさんに光が見えるような会社選びのお手伝いが出来ればと思っています。
≪石川かおり≫