【テレビ業界就職・転職】好きな番組で選ぶ番組制作会社

2016年8月8日

テレビを観る

「『○○○○○』が作りたい」と「『○○○○○』のような番組が作りたい」では全然違います。

テレビ番組制作志望者の中には、「『○○○○○』が作りたい」と、番組をピンポイントで希望する方がいます。

希望する番組を担当出来なければ、テレビ業界への就職・転職は考えられないとまで言う方もいます。

よほど好きな番組なのでしょうが、番組制作を志望するというより、自分の好きな番組(もしくは出演しているタレント)に関わりたいだけのようです。

だとしたら、番組観覧に行くとか、イチ視聴者として観ているだけの方が幸せかも知れません。

番組制作を志すからには、好きな番組やジャンルがあるのは当然です。

ただ、「好きなことなら頑張れる」という根拠があるのかないのかわからない発言をする方は、いざ好きではないことを振られた時にどうなるか怖いものがあります。

番組で制作会社を選ぶのは○?×?

どの番組制作会社を受けようか考えた時、多くの番組制作会社の中から興味を引くのは、やはり自分が好きな番組を制作している会社ではないでしょうか?

「好きな番組を制作しているから」という理由で番組制作会社を選ぶ方法には、現役の番組スタッフの方達から色々な意見が飛び出しました。

○賛成派
「好きな番組に携われるとモチベーションが上がる」(アシスタントディレクター/テレビ業界歴2年目)

○賛成派
「人気番組を担当するとやりがいが感じられる」(チーフAD/テレビ業界歴4年目)

×反対派
「番組作りの基本は一緒、まずは仕事を覚えることが先決」(ディレクター/テレビ業界歴11年目)

×反対派
「どういった番組にはまるのか向き不向きはわからないので、最初から自分の可能性を狭める必要はない」(プロデューサー/テレビ業界歴20年目)

好きな番組を制作している会社を選んだけど・・・

「『○○○○○』が作りたい」と、自分が好きな番組を制作している会社に入ったものの、果たして希望通りに行くのでしょうか?

希望する番組に配属されなかった!

「『○○○○○』のスタッフ募集!」と限定された採用でない限り、会社が携わっている番組のどこに配属されるのかは入社前に約束出来ません。入社後、ふたを開けてみたら希望していない番組に配属されることも大いにあり得ます。

番組が終了!

希望通りの番組に配属されたとしても、どこかのタイミングで番組が終了となることもあります。人気タレントを起用して華々しく始まった番組でさえも、1クール(3ヶ月)で終わることも珍しくありません。

担当番組の配置換え!

「9月から『○○○○○』に異動ね」「来月から『○○○○○』を手伝ってよ」と、会社の指示により担当番組が変わることは多々あります。番組スタッフも会社員です。異動命令を拒むにはそれ相応の理由が必要になります。

ここで一つ、番組制作会社を選ぶ際に理解しておいた方が良いことを説明します。

皆さんは番組制作会社のホームページや求人情報を見て、「好きな番組を制作している」と判断するのかと思いますが、「制作している」にも色々な形態があるのです。

自社制作か?派遣か?ハタマタ?

番組制作会社の営業スタイルは大きく3つあります。

①自らテレビ番組を制作している事業者
②機材や編集設備を持たず,プロデューサーやディレクターのみが在籍して番組制作の遂行・管理のみを行っている事業者
③自社の従業員をテレビ局等に派遣し,テレビ局等の指揮命令下においてテレビ番組制作に関する業務を行う事業者

テレビ番組制作の取引に関する実態調査報告書(平成27年7月)より

自社で企画立案~納品までを一貫して行っている場合、その番組に配属される確率は上がりますが、テレビ局への派遣や在籍出向の場合、どの番組に配属されるのかタイミングによります。

人気番組がずらずらと記載されている制作会社はたくさんありますが、自社で制作しているのか、在籍出向で制作を協力しているのか、番組派遣なのか、確認が必要です。

自社制作が良いとか派遣が悪いということでは決してありませんが、自分の行く末くらい知っておいた方が安心です。

まとめ

バラエティ番組が作りたくて業界に入って、ずっとバラエティ番組を作り続けているディレクター。

音楽番組が作りたくて業界に入ったのに、いつの間にかバラエティ番組を作っているプロデューサー。

スポーツが好きなので、いつかスポーツ番組を作りたいと思っているアシスタントディレクター。

それぞれに番組制作への希望を持ち、テレビ業界に入ったスタッフの方達ですが、希望が叶った方、希望が変わった方、希望を持ち続けている方、本当に色々な方がいます。

皆さん、短絡的・短期的な考えではなく、広い視野を持ち、長期戦を覚悟で番組作りに向き合っている方達ばかりです。

まずはスタートを切る、何でも吸収する、夢は持ち続ける。これが大事なのではないでしょうか。

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《石川かおり》

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