LINEで退職はOK!?正しい退職の仕方とは
「メールで告白」
「メールでプロポーズ」
「親御さんへの挨拶もメールで・・・」
「あかん気がする」
新生銀行レイクCM「なんでもメールって」篇のセリフです。
このセリフを聞いて「あかん気がする!」と同調する世代もいれば、「なんでもメールで済ます」ことのどこが悪いと思う世代もいます。
実際、このCMの最後には、「ひと、それぞれですから」というテロップで締められています。
先日、このCMがとたんに他人事ではなくなった事件がありました。
今時はメールどころじゃありません。「なんでもLINEで済ます」なんですね。
3日前に番組制作会社にアシスタントディレクターとして就職したAさん。
入社から4日目の朝、Aさんから総務宛にLINEでメッセージが届きました。
「辞めます。3日分のお給料は出ますか?」
メール1本で辞めていくアシスタントディレクターはたくさん!?見てきましたが、ついにLINEです。
このLINEが届いた後、Aさんとはすんなり連絡が取れました。
Aさんの様子があまりにも“普通”だったので拍子抜けしました。
Aさんにとって、LINEで退職を伝えることが『トンデモな辞め方』という認識はないのです。
トンデモな辞め方ベスト3
Q.ありえないと思う退職届の出し方を教えてください。
1位 メールやLINE 39.7%
2位 SNS経由 17.0%
3位 家族が届ける 10.7%マイナビウーマン調べ:男性168名、女性414名(調査期間:2014年4月)
メールやLINEで退職を伝えることは『トンデモな辞め方』なのです。
メールやLINEで退職を伝えることに疑問を抱かない世代はこう言います。
「退職したいということが伝わればいいのではないか」
「就活時に企業からの不採用通知はメール1本だった」
「バックレないでLINEで伝えるだけマシ」
『常識』『礼儀』『マナー』『ルール』は、全世界共通ではなく、会社などの狭い世界のローカルルールもあります。
また、LINEのような新しいコミュニケーションツールによって変化するものかも知れません。
ただ、大多数の意見は尊重する必要があるのではないでしょうか?
正しい退職4ステップ
ステップ1:辞めることを伝える
最初に退職の意思表示を伝えるのは【直属の上司】が基本!
■退職理由は正直にありのままを伝える?伝えない?
「次の会社で○○○がしたい」「退職して○○○を頑張りたい」など、例え退職理由がネガティブなものであっても、ポジティブな退職理由を前面に出した方が会社も背中を押しやすくなります。
■申し出る時期は?
法律では2週間前に退職の意思表示をすれば、退職してもよいということになっています。
会社の社則や引継ぎ状況もよりますが、1か月前以上前に申し出るのが一般的です。
ステップ2:退職日を決める
業務の引継ぎや取引先への挨拶など、退職までに必要な期間を上司と相談します。
ステップ3:退職届を提出
退職日が決まったらすぐに退職届を提出します。
退職届の場合は、「退職致します。」
退職願の場合は、「退職致したくここにお願い申し上げます。」
<退職届の書き方>
①用紙は白い便箋
②手書きが基本
③黒ボールペンや万年筆(消せるペンはNG)
④自分の意志で退職する場合は、「一身上の都合」
ステップ4:物品の返却と受け取り
◎会社に返却する物
・カードキー、社員証、名刺、携帯電話、パソコンなど
・健康保険被保険者証
・制服(クリーニング済)
◎会社から受け取る物
・年金手帳
・雇用保険被保険者証
・源泉徴収票
・離職票(転職先が決まっている人は必要ありません)
たった4つのステップを踏むだけで円満退社が可能です!
人間関係のマニュアル
思えば、メールやLINEで退職を伝えてきた人たちは、社歴の浅いひとばかりでした。
入社して数日、数か月。
会社や同僚たちへの情もへったくれもないのでしょう。
自分の行動が周りにどんな影響を与えて、みんながどんな気持ちになるのか。
考えが及ぶほどの愛情がないということです。
メールやLINEで簡単に終われる関係性しか築いていなかったとも言えます。
自分のしたことで、相手はどう思うのか?
一旦考えられる人ならばメールやLINEでさようなら、なんてことはないのでしょう。
≪石川かおり≫