テレビ番組制作会社の採用に変化!?
人材会社からの人材の紹介は、「経験者のみ」を採用する。
テレビ業界でのこのような傾向は9年~10年前くらいまで見られました。
未経験の方をエントリーしても、書類選考や面接でボロボロ落とされた記憶があります。
ところが、この2~3年で随分と傾向が変わってきました。
まず、テレビ業界の多くの企業が「未経験者」を歓迎するようになりました。
厚生労働省:最新(2015年12月)の有効求人倍率は1.27倍となり、1991年12月以来24年ぶりの高水準となった。
少子化が本格化したのは1990年、今から26年前。つまり26歳以下の人口減は、ちょうどテレビ業界がターゲットとする若者世代となる為、大打撃を食らっているというわけです。
テレビ業界だけが昨今の「超売り手市場」の影響を受けているわけではありませんが、若者の志向とマッチしない度でいうと、テレビ業界はかなり高い方になってきてしまいました。
その理由として、16年卒(今年3月卒業予定)に強く見られたある志向があります。
安定志向
アイデムが2016年3月卒業予定者の就職活動に関する調査によると、「大企業」「どちらかと言えば大企業」を希望する学生が55.3%という結果に。
「超売り手市場」となってから年々上昇している安定志向(大手志向)ですが、今年も顕著のようです。
テレビ局は大手ですが、、、
最新版!「就職人気ランキング」(東洋経済)を見て、愕然としました。
2015年度の民放テレビ局で最も上位だったのが、フジテレビで40位!?
ちなみに、2010年度は1位でした。
それ以前にもフジテレビは何度か1位を獲得しており、業界人気を知らしめていたはずです。
2015年度はフジテレビ以外も散々です。
77位 テレビ東京
110位 TBSテレビ
189位 日本テレビ放送網
227位 テレビ朝日
天下の?テレビ局でさえこの有様ならば、協力会社である番組制作会社は、いかに人材集めに苦労しているのか想像出来ると思います。
番組制作会社が行う5つの募集方法
◎求人広告を出す
⇒大手広告媒体では他業種に埋もれてしまう。
◎自社ホームページで募集
⇒何かで目立つ企業でない限り、ホームページまで行き着かない。
◎合同説明会
⇒ATP(全日本テレビ番組製作社連盟)などの団体に加入していないと機会を得にくい。
◎学校の就職課に訪問
⇒山ほど来ている同じような求人の中から自社を選択される可能性は低い。
◎人材会社に紹介を依頼する
⇒マッチングすれば、外部人事部としての役割を期待出来る。
もはや確実に採用が成功する募集方法などは存在しないのが実情です。
上記の16年卒の持つ「安定志向」の中には、「安定的に1つの組織に属していたい」という思いがあります。
テレビ業界(番組制作会社)は採用しても早々に辞めていってしまう例も多々あります。
そのような現状がより若者を敬遠させる要因になっているのは間違いありません。
誰だってせっかく入った会社を辞めたくはありません。
会社が大きいとか小さいとかだけで「安定」をはかるのではなく、社員が働きやすい会社を「安定」と企業も求職者も考えるべきではないでしょうか。
《石川かおり》