タレントが求める感覚を共有する芸能マネージャー
“芸能マネージャー”と言っても、その役割や姿勢は芸能プロダクションの方針や芸能マネージャーそれぞれに違いがあります。
しかし、キャリアトレインの就職・転職サポート面談でお話するほとんど芸能マネージャー希望者はこのようなことを言います。
「タレントを支えたい」
「タレントを育てたい」
「タレントを売り出したい」
「タレントをプロデュースしたい」
どれも間違いではありません。
ただ、多くの芸能プロダクションの人事担当者と話してきた経験から言わせていただくと、芸能プロダクションやタレント本人が【求める芸能マネージャー像】は上記のようなことではないようです。
芸能マネージャーの役割
新人マネージャーにいきなり特定のタレントを担当させることはあまりありません。
仕事を知らないうちに任せることは出来ないということもありますが、何よりもタレントとの信頼関係が築けていないことが理由です。
芸能マネージャーには大きく2つの立ち位置があります。
付き人
タレントの身の回りの世話をしながら、自らも表舞台に立とうとする付き人もいます。よくお笑い芸人や伝統芸能の世界で弟子入りする話があるかと思いますが、付き人として師弟関係を結びます。自らも表舞台に立つ目的のない付き人もたくさんいます。やはり営業的な役割ではなく、タレントの身の回りの世話が中心です。
営業マネージャー
『タレントと感覚を共有するマネージャー』である必要があります。
単に仕事を取ってくる芸能マネージャーも芸能プロダクションによっては大きな役割を担いますが、タレントが何を考え、希望し、どういった方向性で進んで行くのかを把握していないマネージャーでは信頼関係は築けません。タレントをマネージメントするということは、取ってきた仕事をこなさせることではありません。タレントにとってのベストを見つけ出し、企画提案していくことがマネージメントと言えます。
芸能マネージャーに必要な・・・
『タレントと感覚を共有する』にはオールマイティな探究心と感性が必要となります。
テレビ番組・映画・舞台・本、アニメなど、エンタメコンテンツに精通しなければなりません。
タレントが「あの本のあの役は誰がハマるかな?」と聞いてきたとします。
マネージャーは蓄えてきた知識と、磨いてきた感性で答えられなければ話になりません。
ある芸能プロダクションの面接では「1週間で本を何冊読むか?」という質問がありました。
芸能マネージャー希望の皆さんはどうでしょう?
その芸能プロダクションのマネージャーは、小説ならば1週間に2~3冊は当たり前とのこと。
しかもただ読むだけじゃありません。
自社のタレントにハマるであろう登場人物を常にイメージし、企画に活かそうと虎視眈々と読書をしているのです。
多忙な毎日の中でそんなことが出来るのは「好きだから」です。
仕事の為に興味を持てと言って出来ることでもありません。
未経験で芸能マネージャーとしてスタートした場合、「タレントを支える」どころか、タレントにマネージャーが育ててもらう状態です。
「プロデュースしたい」とかこしゃくなことを言う前に、タレントに負けないエンタメへの興味を培うことが大切です。
《石川かおり》