後味の悪いことをしてしまいました・・・。

登録者からの相談は当然親身に接するように心がけているのですが、社内では「石川さんは甘い」と指摘されることがよくあります。

話を聞いて、ホイホイ受け入れるだけではその人の為にならないこともあるのです。

例えば、テレビ番組のADさん達からよく相談を受けますが、まだ若い彼ら彼女らは自らの判断が間違っていることもあります。

そこを指導し、改善に持っていかなくてはならないのに、私は「うんうん」聞くばかりで、ADさん達の思考力を向上させることが出来ていないように思えます。

自分自身で考えさせることが大事なのに、甘やかした結果、結論を他人である私にに委ねてしまう方もこれまでにたくさんいました。

今日は心を鬼にして、ある登録者を突き放しました。

登録者Sさんから昨年から相談を受けていました。

Sさんはキャリアトレイン経由ではなく、ある派遣会社から番組に派遣されADとして勤務していました。

ですので、私はSさんが実際どのような働きぶりなのか本人からの話のみで窺い知ることが出来ます。

Sさんは性格的に誰もと仲良く出来る方ではありません。

厚い殻を被ったまま社会人になってしまった印象の男性です。

Sさんと話をしていると、うまくいかないのはすべて他人のせい、番組のせいとしか聞こえてきません。

Sさんが望む番組に就けなかったのがモチベーションが上がらない理由と言うのですが、果たして望む番組に就けたら頑張れるのでしょうか？

私はかなり疑問です。

自分の性格も認識しているのであれば直す努力が必要です。

昨年から何度も何度も同じ話を繰り返してきました。

簡単ではないでしょうが、テレビ業界で生きていきたいのであれば「自分を変える」「与えられた番組で頑張る」ことを約束しました。

ところが、某派遣会社経由で新しく配属された番組をわずか2～3ヶ月で辞めてしまったのです。

そしてまた私のところに連絡があったというわけです。

Sさんは言います。

「参考までにお話を伺いたい」

昨年もそうでした。

キャリアトレインから番組に派遣するわけではないので、“参考までに”どのような番組があるのかを話をしました。

「聞きたい」と言われても・・・私からこれ以上何を話したら良いのかわかりません。

「ADとしてやっていく気があるの？」と私は聞きました。

なぜなら、前回話した時に頑張ると約束した番組をあっさり辞めているからです。

Sさんは明言しません。

私はまた同じ話をするしかありません。

しかし、話したところで何も変わらない様子です。

私はSさんの気力を上げて、またADとして背中を押してあげれば良かったのでしょうか？

それではまったくSさんの為にはなりません。

ここまできたらSさんは他人を頼るべきではないと思いました。

自分で考えて考えて考えて結論を出すべきです。

ただ、個人的にはSさんのことが気になって仕方がありません。

これでホントに最後の最後で話くらいしてあげれば良かったのか。。。

心もとなく電話を切ったSさんの声が忘れられません。

「甘やかすばかりが愛じゃない」と、よく親子関係なんかで言いますが、ホントにそうだと思いたいです。

《石川かおり》