人事が注目する「最初の5行」!職務経歴書で採用をつかむ方法
なぜ「最初の5行」が重要なのか
人事が職務経歴書を見る時間は6秒!?
人事担当者は職務経歴書を決してじっくりと隅々まで読み込むわけではありません。
転職活動の過程で大量の応募書類に目を通す必要があり、1つの職務経歴書を確認する平均時間はわずか6秒という調査結果もあります。
6秒という短い時間で採用担当者の興味を引き、次のステップに進むためには、冒頭部分、特に「最初の5行」で皆さんの価値を伝えることがとても重要です。
職務経歴書における第一印象の重要性
職務経歴書は、皆さんの業務経験や成果をアピールするだけでなく、第一印象を作るための大切なツールです。
採用担当者が最初に目にするのは冒頭部分であり、ここで興味を持たせられなければ、残念ながら書類選考を突破することは難しくなります。
面接に進むためには、「転職したい」と思わせるインパクトのある書き方を意識し、最初に読み手の目を引く内容を盛り込むことがポイントです。
面接に呼ばれる職務経歴書の共通点
書類選考を通過し面接に呼ばれる職務経歴書には、共通して具体性と説得力があります。
特に最初の5行に、簡潔かつ明確な「経歴概要」や「職歴」の要点が記載されていることが特徴です。
大切なのは、これまでの業務内容に加え、数値や実績といった客観的な成果を提示することです。
「売上42億円達成」や「前年比+2%」など、事実に基づいた成果を記載することで、採用担当者に皆さんの能力と実績を強く印象づけることができます。
採用担当者が注目するポイントとは
採用担当者が職務経歴書で注目するのは、次の二つのポイントです。
それは「応募者の業務内容が自社にマッチしているか」と「採用価値があるかどうか」です。
そのため、冒頭5行では、この二つの要素を満たす情報をシンプルに伝えることが必要です。
ポイントを明確に絞り、「これまでの経験が御社でどのように活かせるのか」「どのような具体的な成果を出してきたのか」を端的に示すことで、人事担当者の興味を引きつけ、通る書き方を実現できます。
最初の5行に書くべき要素
相手が知りたいのは「概要と成果」
職務経歴書の冒頭5行で何を書くべきか悩む方は多いですが、人事担当者が最初に求めている情報は「概要」と「成果」です。
冒頭部分では、皆さんの職歴全体を凝縮して伝えることが求められます。
例えば、業界や職種、勤務先企業、担当業務の範囲に触れつつ、具体的な実績や成果を織り交ぜることがポイントです。
採用担当者は「この応募者がどのような価値を提供してくれるのか」を短時間で判断します。そのため、いかに簡潔で明確に、読みやすい形で概要を示せるかが重要になります。
シンプル&分かりやすい表現のコツ
人事担当者は平均して6秒ほどしか職務経歴書に目を通さないのであれば、最初の5行をシンプルで分かりやすく記載することが大切です。
無駄な装飾や専門用語を多用せず、端的に「何をしてきたのか」「どんな実績を残したのか」を伝えましょう。
文章を短くし、箇条書きなど視覚的に整理された形にすることで、さらに理解しやすくなります。
最初の5行を効果的に書くための準備
自己分析を徹底して強みを明確化する
職務経歴書の冒頭5行に説得力のある内容を記載するためには、まず自己分析を徹底することが重要です。
自分が過去の業務でどのような成果を上げたのか、どのようなスキルや強みを発揮してきたのかを具体的に把握しましょう。
「職歴」や「業務内容」を振り返りながら、他の候補者との差別化ポイントを明確にすることで、採用担当者に「この人と会ってみたい」と思わせるベースが構築されます。
また、自己分析がしっかりできていると、文章にも一貫性が生まれ、冒頭の5行に説得力を持たせることが可能になります。
業界や企業に特化したアプローチ方法
職務経歴書が書類選考で通過するためには、応募先の業界や企業に合わせたアプローチが必要です。
例えば、応募企業が重視するポイントやキーワードを職務経歴書の冒頭に盛り込むことで、相手の「欲しい人物像」に近い印象を与えることができます。
人事担当者は「6秒」程度の短い時間で職務経歴書を確認すると言われているため、具体的な業界の知識や仕事の成果を最初の部分で伝え、つかみを取ることが重要です。
また、応募先の業界特有のトレンドや課題に触れた内容を記載すれば、理解力と適応力の高さをアピールできます。
過去の実績を振り返る作業を効率的に行う
多くの転職希望者が職務経歴書の作成に時間がかかる理由の一つが、過去の実績を思い出す作業です。
このプロセスを効率的に行うためには、過去の業務内容や職歴を一覧化してまとめておくことをおすすめします。
それにより、具体的な成果や数値をスムーズに抽出でき、書くべき内容が明確になります。
さらに、具体性のある記載内容(例:「法人営業担当として前年比+10%の売上増加」「プロジェクト納期の短縮」など)により説得力が高まり、書類選考を突破しやすくなります。
他者の意見を取り入れてブラッシュアップする
職務経歴書の完成度を高めるためには、第三者の視点を取り入れることが有効です。
例えば、信頼できる友人や元同僚、転職エージェントに内容を確認してもらい、具体性や文章の分かりやすさを検討してもらうとよいでしょう。
他者の意見は、自分では気づかない不足点や矛盾を明らかにしてくれます。
また、自分が強調したい「職歴概要」や「最初の5行」が的確に伝わるか確認し、適切に修正していくことで、完成度の高い職務経歴書が仕上がります。
職務経歴書全体の構成を意識しよう
「最初の5行」だけでなく全体の流れを作る
職務経歴書において「最初の5行」は確かに採用担当者の注意を引くための最重要ポイントです。
しかし、それだけに注力しすぎて全体の流れを疎かにしてはいけません。
人事担当者は、職務経歴書を6秒程度で全体を流し見して、冒頭の記載内容だけでなく、職歴全体や自己PRとの一貫性も確認します。
冒頭が説得力を持つ記載であったとしても、その後の業務内容や達成成果との整合性が取れていない場合、逆に違和感を持たれて書類選考から弾かれてしまう可能性もあるでしょう。
全体に一貫性を持たせ、流れを意識した構成にすることが重要です。
箇条書きを活用して読みやすさを向上
職務経歴書が人事担当者の目にパッと内容を伝えるためには、箇条書きを効果的に活用するのがおすすめです。
例えば、職歴概要の部分でも実績や成果を簡潔にまとめる際、「どんな業務を行ったのか」「何を達成したのか」を箇条書きで見やすく整理すると、視認性が高まり流し読みされても内容が伝わりやすくなります。
自己PRや志望動機とのつながりを考慮
職務経歴書全体を通して、自己PRや志望動機とのつながりを意識することも大切です。
特に職務経歴書の概要部分でアピールした内容がそのまま自己PRや志望動機に結びついていると、応募書類全体に統一感が出ます。
例えば、職歴概要に「法人営業担当として大口取引先との関係を強化し、売上を前年比12%向上させた」と記載する場合、その経験を活かし応募企業でも顧客基盤拡大に積極的に貢献したいという志望動機に展開することができます。
採用担当者にとって、一貫した内容はあなたが転職理由を明確に理解している証拠となり、信頼感を高める要素となります。
フォーマットやデザインで印象アップ
人事担当者が職務経歴書を見る時間が限られている以上、内容だけでなくフォーマットやデザインの工夫も重要なポイントです。
行間の適切な設計や読みやすいフォントサイズを用いて視覚的にストレスを与えない職務経歴書を作成することを心がけましょう。
また、自然な色遣いや項目ごとに分かりやすい見出しを設定することで、全体像が把握しやすくなります。
不採用となる理由の一つに文書構成の雑さが挙げられることもあるため、書類全体に統一感を持たせることが、採用をつかむ「通る書き方」につながるのです。
国家資格キャリアコンサルタント
石川かおり