何気に?ADもすでに携わっているテレビ番組の企画
テレビ番組制作を志望する求職者に話を聞くと、こんな風におっしゃる方が結構います。
「企画力に自信がない」
番組制作を志望するからには、「企画がしたい」という方の方が多いかと思いきや、やってみたいけど自信がないという方の方が断トツに多いのです。
まずはアシスタントディレクター(AD)として番組制作の基本を学び、“そのうち”企画に携わる(企画を求められる)という漠然としたイメージは持っているようです。
ただ、「企画力に自信がない」というのも、“そのうち”というのも、現実は少し違います。
番組の企画は誰か1人の力で作るというわけでもありません。
それに、入ったばかりのADだって企画を求められることもあるので、“そのうち”というわけにもいかないかもしれません。
しかし、何も最初から大それた企画を出せというわけではありません。
企画は誰が作っているのか?
番組企画は誰が作っても構いません。
このポジションの人しか作れない!というわけでもありません。
構成作家やプロデューサー、ディレクター、ADなどが一堂に会する番組の企画会議で意見を出し合い、そこでの意見や提案を最終的にプロデューサーがまとめて企画を通していきます。
構成作家はプロデューサーやディレクターの考え(番組のテーマなど)をもとに、番組の全体の構成や企画を作ります。
最初は1人のアイディアかもしれませんが、企画を成立させ、ブラッシュアップするのは皆で行います。
誰かからパッと出てきたアイディア(ネタ)を、どうやって面白くするのかを考えるのはディレクターが中心になります。
その過程で、ADはディレクターからアイディアを求められることもあります。
そのアイディアは些細なことかもしれませんが、番組作りのヒントになったり、番組をより良くする為に欠かせないことになるかもしれません。
「このコーナーのタレントは誰が良いと思う?」
「今、10代~20代では何が流行ってるの?」
「これから何が流行りそう?」
「このロケ地どこが良いと思う?」
「この場面で使う○○はどこに行けば買える?」などなど。
ディレクターから振られたことを、ADは即座に答えられるようにしておかなければなりません。
わからないことでも、黙っちゃダメです。
「私はこう思うのですが、すぐに調べてみます!」
「今、○○が流行っていて、この前見たら行列が凄かったです!」
「友達の間で○○が注目で、絶対これから来ると思います!」などなど。
番組企画(ネタ)という大枠に、自分のアイディア(意見)を入れていくことから企画に携わることになるのです。
先日、某人気バラエティ番組を担当しているADのNさんがウキウキで話していました。
「私が提案した○○のコーナーのキャスティング案がディレクターに採用してもらったんです!」
企画が作れるようになるには
番組の企画を作るのに、何か特別な勉強が必要であったり、専門の学校を出ていなければならないということはありません。
企画を伝わるようにする為に、資料を作ったり、プレゼンをしたり、そういう技術的なことは経験を積めば出来るようになります。
何よりも大切なのは、“企画脳”で普段からいることです。
「常にアンテナを張っていること!」とよく言われますが、自分が興味のあること以外にも目を向けて、インプットすることが大切です。
自分の好きなことにはもっともっと追求します。
某有名プロデューサーのSさんは、インタビューでこうお話しています。
「大好きなことに情熱を傾けた学生時代の知識や経験が、企画を考える上での大事な武器になっている」
10代の頃にサブカルチャーや演劇が好きで魅了されていたそうです。
企画の出し方は様々ですが、上記のようにディレクターに振られた時にアイディアを披露出来るか。
制作会社によっては定期的な企画会議を行い、ADにも発表の場を設けています。
そんな時に普段からインプットしていれば、企画としてアウトプットすることが出来ます。
大それたことは考えずに、まずは自分の出来ること(考えられること)からコツコツと爪後を残していくことで、企画が立てられるようになるのだと思います。
≪石川かおり≫