希少求人(ドラマ?映画?)に拘って適性年齢オーバー
就職・転職市場にあまり登場しない求人というのがどの業界にもあります。
求人サイトなどでも、滅多に登場しない希少求人はことさら強調します。
「希少求人!○○業界○○職の募集!」
なぜ求人が少ない職種が存在するのかと言うと、下記のような理由があります。
≪求人が少ない理由≫
・人員を削減したい
・企業の数が少ない
・定期的に採用を行っていない
・フリーランス等なかりで社員を採用していない
・新卒採用しかしていない
・未経験者は採用しない
・人気職種で倍率が高い など
マスコミ・エンタメ業界には様々な職種があり、「へ~そんな仕事があるんだ~」というような知られていない職種もあります。
募集が少なく、求人として見かけることもない為、知られていないのかもしれません。
また、興味を持つ方が多く、広く求人をしなくても人が集まる職種もあります。
そのような希少求人に拘って探している求職者からの相談は後を絶ちません。
待てど暮らせど志望職種の求人に巡り合えない方もいれば、方向性を少し変えてとにかくスタートを切った方、様々な色々な求職者がいます。
希少求人の志望者
ドラマ・映画
テレビドラマや映画の求人を探している方はとても多く、携われるならば何でも良いと言う求職者もいます。
しかし、ドラマや映画を専門に制作している会社は限られており、未経験者を歓迎している中途採用はほとんど見かけません。
中途採用自体も少ないのですが、あったとしても番組制作経験がある方や同じドラマ・映画制作経験者のみを求めています。
新卒入社して育てていくパターンか、番組契約またはフリーランス(業務委託契約)で“いつも”のスタッフが集結するパターンが多いようです。
“正社員”で中途採用している会社は滅多に見ることはありません。
ドラマ・映画の制作の現場は人手不足に喘いでいるのですが、会社としては将来のコストなどを考えると雇いづらい現状はあります。
ただ、求人が有る無し以前に、ドラマや映画の制作を志望している方に考えて欲しいことがあります。
一体、ドラマ・映画の世界で自分は何がしたいのか?
通常、ドラマ・映画の制作は助監督からスタートします。
フォース⇒サード⇒セカンド⇒ファーストと階級が上がり、監督(ディレクター)を目指すのか?プロデューサーを目指すのか?
求人が少ないのと同じく、入ったら入ったでポジション争いはし烈です。
休みがない、家に帰れないなどの覚悟がどうのこうのより、キャリアビジョンを描いてから動く必要が、ドラマ・映画の制作には特に問われていると感じます。
参考:2013年8月19日ブログ「映画・ドラマを作るテレビ番組制作会社!?ただの映画好きか、それとも業界人としての一歩を踏み出すのか!?」
MAミキサー
MAミキサーは、テレビ番組などの映像の音を調節(編集)する仕事です。
映像の編集を専門的に行うポストプロダクションや音響技術専門会社などに入るのが一般的ですが、これまた採用人数は限られています。
映像編集(エディター)やカメラなどの技術職よりも、MAミキサーの数は少なく、優秀なMAミキサーはディレクターなどからの指名も付くので、退職率も他に比べて多くはありません。
また、中途採用がまったくないわけではないのですが、ほとんどが“経験者”を求めています。
(例)
・ポストプロダクションでの就業経験
・MAアシスタントとしての実務経験
・Pro Toolsを用いた実務経験
・メインミキサー経験
・MAアシスタント経験(要ポストプロダクション経験)
専門学校等で、MA技術を勉強した方も対象になることもありますが、実務経験者が優先される傾向があります。
番組制作デスク
制作デスクは、テレビ番組制作をバックオフィスから支える“何でも屋さん”です。
・電話、来客対応
・スタッフや出演者への連絡
・楽屋やスタジオ、編集室、弁当などの手配
・収録時は現場での手伝い
・出演者のフォロー(アテンド、お茶出しなど)
・ADやディレクターの様子を見て、事務処理を代行 など
大体、週休2日で残業も多くはありません。
体力的な負担が少なく、番組制作に関わる仕事の為、ADを数年経験してキャリアチェンジを希望する女性に人気があります。
ただ、コストの問題などでADやAPが制作デスクの代わりを務める番組も多く、制作デスクは潤沢に配置出来るポジションではありません。
退職率も高くはなく、長年勤務している制作デスクも多く見かけます。
よって、求人発生率が低いのです。
制作デスクの求人を待って待機しているADも多く、番組制作未経験の方が中途採用ですんなり入るのは結構難しい状況です。
就職年齢オーバー
専門学校などのツテや、人脈を駆使したコネなど、希少と言われる職種に就くチャンスを得られる方もいます。
それでも、いきなり自分の理想通りの仕事や環境にありつけるのは考えにくく、いくつかの方法や考えを持つ必要があります。
正攻法や希少求人に拘るあまり、就職・転職の適性年齢を逃す可能性があるからです。
マスコミ・エンタメ業界は年齢を制限している採用がほとんどで、スタートは20代半ばくらいまでがベストとされています。
職種によって求める人物像は異なりますが、制作職・技術職は20代後半から難しくなってしまう現実があります。
求人がないから諦めろと言うお話ではなく、ちょっと方向性を変えてでも業界に入り込むなど、チャンスの待ち方を検討してはいかがでしょうか?
広い視野と柔軟な考え方次第で、将来を切り拓くことが出来るかもしれません!
≪石川かおり≫