社員流失!中間層不在の番組制作会社

2018年2月28日

退職

「3年いたアシスタントディレクターが辞めちゃって・・・。」
「ディレクターになったとたんフリーになっちゃって・・・。」
「30歳手前くらいで辞めていってしまう・・・。」

番組制作会社が頭を抱えることの一つに、『せっかく育てた社員の流失』という難儀なことがあります。

20代後半~30代前半(大卒で新卒入社して4年~10年目くらい)の中間層がいない、砂時計現象は多くの会社で見受けられます。

チーフADとして後輩の面倒も見て、ディレクターを目指せるくらい幅広くアシスタントの仕事が出来る年齢層。

若手ディレクターとして会社の中核となっていく年齢層。

これらは番組制作会社が最も欲しがる人材像(年齢層)です。

ただ、そんなに都合良く採用出来るはずもなく。

結局は未経験者を入れて、教える先輩社員が不足していることで新人が疲弊して辞めて行き、また先輩社員となるべき社員がいなくなりの繰り返しです。

会社が最も手放したくない、ある程度経験を積んだリーダー候補の社員が辞めていく理由にはどんなものがあるのでしょうか?

4つの転職理由

一般企業のマネージャークラスへのアンケートで、転職理由はだいたい4つに分かれていることがわかりました。
※ルーセントドアーズ調べ

①評価に不満
頑張っているのに評価されていないと感じる。

②環境の変化
会社の業績悪化や転勤などで想定していた職場環境でなくなる。

③個人的事情
結婚・出産・介護などによるプライベートな事情。

④起業や独立
自分の考えの変化や前向きな向上心によるもの。

この中でダントツ1位は①評価に不満でした。

正当な評価を得られていないと感じると、「やりがいがない」に繋がり、不満や怒りに転化することにもなりかねないのです。

去る者は追わず!?

転職が当たり前になった現代で、会社を去っていく社員は珍しくありませんが、テレビ業界などのマスコミ・エンタメ業界ではあまりにも慣れ過ぎた感があります。

クリエイティブな世界であるがゆえに、「やりたいやつだけ残ればいい」という風潮もあります。

辞めて行く社員は仕方がないと、退職者を食い止めるにはどうしたら良いかを真剣に考えている会社はまだ多くはない印象です。

退職を申し出たアシスタントディレクターが、会社からこんな風に会社に言われたと聞いたことがあります。

「じゃあ、今日までで」
「後任が入ってくるまでいて」
「いつ付けで辞めたいの?」

退職理由を深くは聞かれなかったという方もいました。

もっと残念なのは、相談しただけなのに「見切られた」という方も。

社員の不安や不満を吸い上げて改善出来ないようでは、いびつな年齢構成も改善されません。

中間層の退職を防ぐ

①評価に不満を持って辞めていく社員が多いのであれば、そこを改善すべく会社は対策を練れば良いわけです。

評価=給与?給与を上げれば良い???

年齢が上がれば、もちろん給与や待遇の評価は欲しいところです。

ただ、個々の成長は給与や待遇だけでは図れません。

将来的にどうしていきたいのか、その為に改善すべき点は?課題はなにか?

上長が部下と面談を重ね、キャリアデザインをマネジメントする必要があるのです。

そこで社員一人ひとりの状況をきちんと判断が出来た上長(会社)が、より活躍出来る環境を与えることが評価となり、やりがいに繋がるわけです。

応募者のポイント!

「評価はどのようにされるのか?」

そんな疑問を持つ応募者(求職者)は結構います。

上記のように、会社としてどれだけ社員を向き合っているのがポイントになるのです。

会社選びの際(面接時など)、下記のようなことを注目してみてください。

・社員の年齢構成は?
・キャリアデザイン(キャリア設計)面談をしているか
・会社規定による評価制度はあるのか?

社員を大事にしている会社かどうか、これらは1つの指標になるのではないでしょうか?

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≪石川かおり≫

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