【番組制作】怖いのは「心が折れたら・・・」
「心が折れる」という表現は、若い世代が使う新しい表現なのだそう。
挫折する意味の「心が折れる」(全体で43.3%)は10~40代で過半数となったが、他の年代で使うのは少数派だった。
出典:文化庁2016年度「国語に関する世論調査」
私もいつからか違和感なく聞くようになっていましたが、考えてみれば「心が折れる」とは結構な衝撃ってことですよね。
心=心臓=気持ち⇒ポキッ!
番組制作会社でアシスタントディレクターとして働いていたある若手社員は、辞めて行く時に、「心が折れた」と言いました。
若手社員の心理状態を心配するある番組制作会社の社長は、「心が折れなければいいんだけどね」と言っていました。
それほど働くには気持ちを強く持つことが大切なわけですが、「心が折れる」ことを恐れるあまり、一歩を踏み出せない方もいるのです。
番組制作の仕事に興味はあるけれど・・・
大学4年生のTさんは、就職活動もそろそろ終わりを迎えようとしています。
消費財メーカーから内定を得ているのですが、本当の希望はテレビ業界。
主要なテレビ局は受けましたが、全敗。
番組制作会社は説明会に行ったのみで正式にエントリーはしていません。
説明会で番組制作の仕事について聞くうちに、自分に出来るのか自信がなくなったそうなのです。
「心が折れたらどうしよう・・・」
そんな気持ちばかりが先に立ち進めずにいたのです。
キャリアトレインの就職サポート面談で本当の気持ちをお話ししてくれたTさん。
話し合った結果、「どんな仕事でも心が折れることはあるかも知れない。」「チャレンジせずに後悔するのはもっと怖い。」という結論になり、Tさんは今から番組制作会社の先採用にチャレンジすることになりました。
一度折れたことがあるから・・・
映像専門学校を卒業後、8カ月間番組制作アシスタントディレクターとして働いていたNさん。
専門学校時代からアルバイトとして朝の情報番組に携わっており、番組制作への情熱は誰よりも強いと思っていました。
番組制作会社に就職した後は、ある番組に配属され、テレビ局内の番組スタッフルームで働くことになったのですが、そこでの人間関係につまづいてしまったのです。
先輩達は丁寧に教えてくれるタイプではなく、笑い声が一切なくいつもピリピリした雰囲気のスタッフルームで、いつしか番組制作の仕事が楽しくなくなってしまったのです。
数か月の間で同期のアシスタントディレクターが次々と辞めていき、ついにはNさんもたった8カ月であんなに希望を持っていた仕事を辞めることになったのです。
まさにその時、「心が折れた」そうです。
志半ばで辞めてしまったNさんですが、退職から半年。
もう一度番組制作の世界に戻りたいと思うようになりました。
しかし、一度心が折れた経験のあるNさんは、「また同じように心が折れるかも知れない。」と不安でいっぱいなのです。
一度あったからこそ、次はないと言い切れないNさんですが、勇気を出して再チャレンジすることを決意しました。
今度こそ心が折れないよう気持ちを強く持つと。
心が折れるから弱い人間なわけではないと思います。
心が折れるほどの想いあって、立ち向かったからこその気持ちです。
≪石川かおり≫