転職意欲喪失!?「ここに入る理由がない」と言われるオフィス環境
某番組制作会社A社に1ヶ月ぶりにお邪魔した時のこと。
あまりの違いにビックリしました。
1ヶ月前、いや私が知っているこれまでのA社とは見違えるほど“オフィスがキレイ”になっていたのです。
理由を聞いてさらにビックリ!
1ヶ月前にキャリアトレイン経由で入社したプロデューサーのKさん(40歳)が、最初に手掛けたのがオフィスの整理整頓だったそうなのです。
Kさんは番組プロデューサーとしてA社の組織作りも期待されて入社しました。
1つの目標に向かって社員が一致団結することが課題のA社にとって、会社が魅力的で居心地の良い空間であることは大事なことだとKさんは考えました。
確かに、これまでのA社はいたるところに物が散乱していて、足の踏み場もないくらいでした。
整理整頓されたA社では、心なしか社員の皆さんも活き活きと見えます。
侮れないオフィス環境
ほとんどの番組制作会社は整理整頓が出来ているとは言いづらいところばかりです。
デスク周りに書類だか何だかが山積みになっていることで自分の陣地が分かる状態であったり、通路には収録で使用したと思われる備品やテープが置いてあったり、入口から会議室まで案内される間に何かを踏まないように気を付けなければならない会社はたくさん見てきました。
テレビ局内のスタッフルームも同じようなものです。
「そんな環境では業務効率が上がるわけない」
とKさんはこれまでの経験から考えたのです。
また、テレビ業界の最重要課題である新人獲得にも影響があります。
私も番組制作希望の求職者(登録者)に説明する際、あまりにも汚いオフィスの場合、心の準備をしてもらうことがあります。
テレビ業界に憧れて来てくれたのに、いきなりガッカリされてはちょっと・・・。ねぇ。。。
しかし、考えてみるとそんなことで良いのでしょうか?
退職理由にもなるオフィス環境
転職・就職で「オフィス環境を重視」する人は82.3%
ビジネスウーマンを対象に実施した「オフィス環境に関する意識調査」の結果:SYNTH調べ
会社を選ぶ基準として、給与、残業時間、人間関係と並んでランキングされる「会社が汚い」。
入社して(就職前の会社訪問でも)秒速で「辞めたい」「嫌だな」と思うのは、一目でわかるオフィス環境です。
ブラック企業の見抜き方ランキングでもオフィスのキレイ・汚いはチェックポイントとなっています。
- ■汚い(整理整頓がなっていない)
■臭い(タバコ臭などありえない)
■暗い(荷物で窓が埋まっている)
「汚い会社は業績がよくならない」とは、もはや常識とされているようです。
オフィス環境を変えてしまう
めちゃくちゃ汚いオフィスでも社員が定着していて業績も悪くない番組制作会社ももちろんあります。
ただ、昨今これだけ若手採用が難しくなっている中、問題意識を持って欲しいと思わずにいられません。
以前、某番組制作会社に若手ディレクターを面接で連れていった際、「ここに入る理由がない」とハッキリと言われてしまったことがあります。
オフィスの汚さに転職意欲を失ってしまったそうなのです。
ただ、汚い会社ならば変えてしまおうという冒頭のKさんのように、受け身や会社頼りだけではない発想も大事かも知れません。
自分のデスク周りだけでもキレイに。徐々にキレイな範囲を広げていく。自ら改善提案してオフィス改革。
それを良しとする会社ならば、社員にとってはブラック企業なんかではないはずです。
≪石川かおり≫