テレビ番組制作スタッフに必要な~4つの力~
番組制作の仕事を希望する方からよく受ける質問があります。
「番組制作スタッフに必要なことって何ですか?」
これまで多くの番組制作会社やスタッフの方々から見聞きしてきたことで、やはり「これは必要だろう!」と思っていることがあります。
それは以下の4つの力です。
【読む】【書く】【話す】【聞く】
日本語の4つの力としてよく言われることですが、テレビ番組制作に携わる方には特に欠かせない力です。
番組制作の仕事は放送を通じて、ニュースであったり、笑いであったり、何かを【伝える】仕事です。
【伝える】(伝わる)為には、【読む】【書く】【話す】【聞く】の4つの力をフル活用しなければなりません。
番組制作スタッフ必要な力【読む】
SNSやネット記事などで文字に触れることは、昔に比べたら増えているのかも知れませんが、長文を習慣的に読むことは減っているのではないでしょうか?
高校生の1か月の平均読書冊数(全国学校図書館協議会発表)
2010年1.9冊
↓
2016年1.4冊
番組制作スタッフは様々な調べものや番組のネタ探しをする『リサーチ』作業が非常に多く、インターネットはもちろん、新聞を読んだり、図書館に行って何十時間も情報という文字と格闘しなければなりません。
ただ情報を仕入れるだけではなく、たった一文から想像力を働かせ面白味を見付けたり、文章を正確に解釈する必要があります。
読解力がなければ、間違った情報を流すことにもなりかねません。
番組制作スタッフ必要な力【書く】
伝えたいことはあるのに、文章で表現出来ないという方。
就活時のエントリーシートで苦労された方はたくさんいるのではないでしょうか?
履歴書の志望動機欄が埋まらず、何日も経過してしまう転職活動中の方もいます。
たった300文字程度のスペースを埋めるのに1週間以上かかってしまい、募集が締切になってしまった登録者もいました。
番組制作スタッフの仕事は書くことが想像以上に多いかと思います。
・番組進行、台本
・企画書
・番組内で流れるナレーションの原稿
・企画会議時のホワイトボード板書
・カンペ、フリップ
・社内外各所へのメール
などなど。
ちょっとした文章を書くことは日常茶飯事。公式な文章を書くことも多々あります。
番組制作スタッフ必要な力【話す】
社会人の基本『ホウレンソウ』は番組制作においても非常に重要です。
自分が何を言いたいのか、順序立てて話さなければならない場面は物凄く多くあります。
また、社内の人だけではなく、社外の人への交渉や許可取り、説得など。
ただ話せば良いのではなく、話し方に気をつけて、正確に内容が伝わらなけえれば意味がありません。
それには、自分自身がきちんと内容を理解している必要があります。
番組制作スタッフ必要な力【聞く】
一方的に話すことよりも、相手の言わんとすることを理解しようとすることでコミュニケーションが成り立ちます。
番組制作スタッフは、聞く仕事もとても多いです。
・企画会議の話を聞く(議事録作成も)
・取材先でのインタビュー
・録音したインタビューを文字におこす
・先輩達のアドバイスを聞く
・タレントや取材先の要望を聞く
などなど。
聞いたことを理解して行動することを求められます。
また、わからないことを質問する【訊く】力も重要です。
疑問をそのままにしておくことでトラブルに発展することがあります。
失敗を恐れず、先輩や上司に積極的に訊くことが新人のうちは大事な仕事かも知れません。
苦手意識を取っ払う!
相手に伝わるように話す為には、読んだり聞いたりしたことを理解する力が必要。
物事を書くには、話を的確に聞いていないと書けない。
人に質問する前には、何かを調べて書いてあることを理解した上で聞かなければならない。
【読む】【書く】【話す】【聞く】の4つの力がどれか1つでも出来ていれば良いのではなく、すべてリンクしているのです。
しかし、決して高い学習能力が必要なわけでも、苦手なことがあるからダメだというわけではありません。
【読む】【書く】【話す】【聞く】という、コミュニケーションの基本から、逃げない!めんどくさがらない!出来ないと決めつけない!ことが大切だと思います。
よく、「文章書くのが苦手で・・・」と言って、散々時間をかけた上にやっつけ感丸見えの自己PRを送ってくる方がいます。
こういう方にはやる気も誠意も感じませんし、番組制作の仕事は無理なのではないでしょうか。
≪石川かおり≫