テレビ業界の“適性年齢”とは?

2017年5月22日

うまくいかない女性

テレビ番組制作会社にアシスタントディレクター(AD)として入社した2人。

「頑張ります!辞めるとかあり得ないんで!」

と言っていたK君(22歳)は入社1週間で連絡もなく辞めて行きました。

一方。

「番組制作の仕事は興味があるのですが、不安なことばかりで・・・。」

と言っていたSさん(24歳)はこの春で入社3年目になりました。

早々に辞めてしまったK君も、決して嘘をついていたわけではなく、入社時は本当にそう思っていたのだと思います。
Sさんは不安な気持ちのまま入社して、入ってみたら案外ハマったにすぎません。

対照的な結果になった2人ですが、「番組制作の仕事に挑戦したからこそわかったことがある」ということを私は言いたいのです。

この2人が20代前半の若いうちに“行動”したことを、どのような結果であろうと称賛したいと思います。

番組制作の仕事に興味を持ったまま、何もせずに20代後半~30代になってしまうと、思わぬ試練が待ち構えているからです・・・。

リミットがあるテレビ業界

ある番組制作会社の人事の方がおっしゃっていました。

「ADの募集に40代の方から応募があって・・・。」

キャリアトレインの転職サポートでも、アシスタント職にベテラン年齢の方から応募があることは珍しくありません。

AD求人に40代以上の方からの応募は年に数人ですが、30代の方からの応募となるとかなりの人数となります。

テレビ業界(番組制作会社)では、業界未経験者の採用年齢は20代と想定しているところがほとんどです。

20代と言っても、28歳~29歳になると見方が変わります。

昨今の人手不足により、上限年齢が上がってきていますが、20代後半以上の応募者にとっては不利なことが多々あります。

なぜもっと早く挑戦しなかった!?

■Yさん(29歳女性)
出版社や一般企業の事務派遣を経て、報道番組の制作を志望し転職活動中。大学時代からテレビ業界に興味はあったものの、何となく時が経ってしまい、30歳を前にやりたかったことにチャレンジすることに。しかし、報道番組は番組制作会社からテレビ局に派遣出向されることが多く、番組制作会社は採用に前向きでも、派遣出向先のテレビ局が年齢を理由に受け入れてくれず・・・。しかし番組ジャンルを広げたことで、6社目の挑戦で転職を成功させました。

■Jさん(30歳男性)
大学卒業後、大手不動産会社の営業として勤務。友人の結婚式ビデオなど、趣味で映像制作をしていました。
本格的に映像制作を仕事にしたいと数年前から考えていたのですが、そうこうしているうちに30歳になってしまいました。結婚していることもあり、採用する番組制作会社としても責任重大。ようやく理解を得られて転職が叶ったのですが、なかなか書類選考が通らず苦労しました。

アシスタント職の年齢制限理由

それでは、なぜテレビ業界(番組制作会社)では未経験者の採用年齢を制限しているのでしょうか?

主にこのようなことが言われています。

①ディレクターになるのに平均3~5年かかる!
⇒ディレクターになった際、とっくにディレクターになった同じ年と差がついてしまうから!?また、なかなかディレクターになれない場合、どんどん年齢を重ねてしまう為。

②年下の先輩がやりづらい!
⇒他の業界・職種と違い、多忙な環境の中で後輩に対して言葉や態度が荒くなることも。そんな時、年上の後輩だと遠慮してしまう!?年上の後輩本人は「気にしない」と言いますが、年下の先輩が気を遣うことに。

③年齢給を支給出来ない!
年齢に関係なく、未経験で入社すると最低額の給与になってしまう番組制作会社がほとんどです。(例えば、20歳の社員も30歳の社員も同じ)また、年齢給制度を採用している会社の場合、後から入ってきた年齢が高い社員の方が、先に入っている年齢の低い社員よりも給与が上になってしまう!?

社員の年齢層のバランスや、直属の上司や先輩の年齢によっても対象年齢は変わります。

これらの理由に当てはまらない例外もたくさんありますが、テレビ業界(番組制作会社)が“適性年齢”を定めている現実があることを、興味をお持ちの方は知っておいた方が良いです。

20代後半~30代未経験スタートの挑戦もキャリアトレインとしては応援したいですし、実際に業界全体で増えています。

しかし、挑戦してみて合わなかったということも十分考えられます。

「取り返しのつくうちに」「やり直しがきく」と言ったら大げさですが、やらないで年齢を重ねて後悔するよりも、若いうちの挑戦をおススメします。

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≪石川かおり≫

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