【ショック!こんな会社は嫌だシリーズ】第4回:ADが大量に逃亡する会社!「誓約書」を書かせて強制労働!?んなバカな・・・
ある日、5名のADが駆け込んできた。
同じテレビ番組制作会社で、
アシスタントディレクターとして勤務しているらしいのだが。
もちろん急に来社したわけではないが、
電話で是非相談に来たいと言うのだ。
それにしても5名も来るとは!?
全員20代半ばくらいの男の子達だ。
みんな真面目そうな雰囲気で、至って普通なのだが、
その表情は一様に暗い。
よく見ると、着の身着のままといった感じで、
手ぶらの子もいる。
まるで仕事中にそのまま抜け出してきたような。
正解だった。
みんなで会社から逃げ出したというではないか。
携帯がひっきりなしに鳴っている。
ちょっとどういうこと!?
聞けば、みんなが勤めている番組制作会社が酷いらしい。
何が酷いって、
①超スーパー激務
3ヶ月間一度も家に帰っていない子もいるとか。
②社長からのパワハラ
何かあるとすぐに物を投げつけられたり、イスを蹴られたり。
③備品が自腹
会社にパソコンがないので、自腹で購入させられる。
しかも共有で使うので、自分の物とは言えない。
④清算金の未払い
ADが経費を立て替えても清算処理してくれないので、
半年前に立て替えたお金も返ってこない。
⑤給与遅延
毎月給与が予定日に振り込まれない。
いきなりカットになる月もあったらしい。
給与が振り込まれない事や、いきなりのカットでは家賃も滞納になってしまい、
さすがに社長に抗議したそうだ。
そこで社長からの一言。
「帰らないんだから家いらないじゃん」
この一言がAD達のやる気を一気に失わせる結果となった。
こんな酷い会社が聞いたことがない。
番組制作会社はいくらでもあるのだから、
とっくに辞めていてもよかったのでは?
何とこの会社。
「1年間は辞めません」という誓約書を書かせていたというのだ。
しかも罰金付き。
何も知らない若いAD達はこの誓約書の存在を恐れて行動に移せなかったらしい。
ちょっと考えれば違法もいいところだが、
常に社長から脅しのように言われていたので、
判断することも出来なかったらしいのだ。
この会社はとにかく誰でも採用する会社なのだ。
誓約書を恐れず逃げ出す子はいるので、
いつでも人手不足なのである。
アルバイト情報誌でADを募集し、
面接もそこそこに、「明日から来て」と言う。
ADは日雇いのアルバイトではないのだ。
高い目標と、就労意識を持って取り組む仕事であるべきなのに、
何も知らない子達に言いことばかり吹き込んで招き入れるのだ。
希望者にはチャンスを与えている?
冗談じゃない!
ADで終わらない為には、受け入れることばかりが正解ではない。
ディレクターや、その上に行かなければ意味がない。
そうなれないと思われる子も中にはいるのが現実。
すべては適性の問題だ、その子にふさわしい仕事は別にある。
何でも良いから入れてしまえというのは、
まったく若い子達のことを考えていない証拠だ。
このAD達の話を聞いているうちに腹が立ってきた。
この会社にも、このAD達にもだ。
逃げ出す必要なんてどこにもない。
正々堂々と辞めて来い!
次の行き先の話はそれからだ。
彼らはきちんとけじめをつけて、後日また来社してくれた。
今度は表情も明るく、やりきった感に満ちていた。
この子達は多くのことは望んでいない。
普通の待遇で大好きなテレビ番組を作りたいだけなのだ。
それから全員、きちんとした番組制作会社へ行き先が決まった。
あれからずいぶん経っているけれど、まだまだ頑張っていると聞く。
過去の出来事が笑い話しになっているようなので安心した。
≪石川かおり≫
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