アフターコロナを見据えた就職・転職で20代が重視することは「企業の○○○」
“アフターコロナを見据えた”求人や求職の動きが見られるようになってきましたが、コロナ禍を通じて求職者が転職において重視することにも変化がありました。
株式会社学情が20代転職希望者を対象に調査した結果がこちらです。
Q.アフターコロナを見据えて、転職において重視することは?
第1位:「企業の安定性」68.7%
第2位:「スキルの習得」49.3%
第3位:「企業の成長性」41.0%
第4位:「テレワークの有無」36.6%
第5位:「コロナ後を見据えた経営計画」31.3%
コロナ禍によって、会社の将来性や安定性に不安を感じた方はとても多く、不安を解消できる転職先を求める傾向がうかがえます。
2023年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象にした調査でも、9割を超える学生が「企業の安定性」を重視していることがわかりました。
では、「企業の安定性」や「企業の成長性」はどのように知ることができるのでしょうか?
企業の「安定性」「成長性」を知るには?
大手企業や有名企業でも倒産することは過去に例がたくさんあります。
一般的には知られていない企業でも、いわゆる『金持ち企業』もたくさんあります。
大手企業や有名企業だからと言って、企業の安全性が保証されているとは限らない!?
企業の「安定性」「成長性」を知るには、4つの代表的な指標があります。
①自己資本比率(数値が高ければ負債が少ないということに)
②固定比率(長期的な支払能力を表す指標で、100%以下であれば財務状況がよいと判断)
③流動比率(数値が小さいと資金繰りがつかず倒産する恐れあり)
④当座比率(短期的な債務支払い能力を判断、数値が100%以上であれば問題なし)
企業の「成長性」は、前期と比較してどの程度売上が伸びているかという売上高成長率が指標となります。
これらを総合的に分析するには、『財務諸表(決算書)』を見なければなりません。
『財務諸表(決算書)』は、『健康診断書』に例えられていると言えばわかりやすいかと思います。
つまり『財務諸表(決算書)』を見れば、企業が健康か不健康か丸裸になるわけです。
上場企業の場合は、財務諸表を開示する義務があるので、企業のHPで確認することができます。
非上場企業の場合、一般公開している企業はほとんど見かけません。
それでも方法はいくつかあります。
■会社四季報(東洋経済)
■全国企業財務諸表分析統計(帝国データバンク)
■財務情報提供サービス(東京商工リサーチ)
■中小企業の経営等に関する調査(日本政策金融公庫)
料金も労力もかかりますが、なんとかかんとかして調べることはできるかもしれません。
もっと簡単に知りたい
と、いろいろご紹介しましたが、なんちゃら比率だとか、そもそも上場企業以外の財務諸表を入手するのも難しそう・・・。
実際に、財務諸表まで読み込んで就職・転職活動をしている方はなかなかお目にかかりません。
「入社してみたら火の車で今にも潰れそうだった!」というのでは困りますが、面接などでざっくり確認する程度でもそう不足はないかと思います。
安定している企業だと判断するために、下記のような判断基準が挙げられます。
「社員の定着率が高い」
「福利厚生が充実している」
「収益の柱が複数ある」
「増収増益を続けている」
「大手企業である」
「働き方の選択肢が複数ある」
「新規事業開発に積極的」
これは、就活生がイメージする「「安定性」が高そうだと思う企業の特徴」の順位です。
業界・業種・職種にもよりますが、あまり多くのことを気にして、ご自身の夢を叶えられないようでは、何をもって転職成功かわかりません。
入社意欲をアピールしながら、企業の状態について感触を得られる程度に確認することをお勧めします。
<石川かおり>