番組制作(AD)⇔CM制作(PM)の共通点
先月、転職のサポートをさせて頂いた2人の男性がいたのですが、2人の希望が“あべこべ”で面白かったです。
AさんはBさんがしている仕事がしたい、BさんはAさんがしている仕事がしたい、というわけです。
下記が2人の仕事です。
Aさんはテレビ番組の制作アシスタントディレクター(AD)
BさんはテレビCMのプロダクションマネージャー(PM)
テレビCMのプロダクションマネージャー(PM)は、CM制作の進行管理をするポジションです。
将来的はプロデューサーなどに昇進することが多いポジションなので、テレビ番組でいうところのアシスタントプロデューサー(AP)に近い業務内容です。
参考:【マスコミ業界を知る/プロダクションマネージャー(PM)】
Aさんは番組制作をしているうちに、CMなどの広告制作に興味を持つようになったそうです。
Bさんは元々番組制作を志望していたのですが、就活時にたまたま受かったCM企画制作会社に入ったそうです。
まったく面識のない2人ですが、これまた偶然にも同じ年の25歳でキャリアも同じ4年目でした。
2人とも自分の置かれた環境である程度頑張ったという自負があり、本当にやりたいことを実現する為に転職を決意したのです。
番組制作とCM制作の共通点
AさんもBさんも同じことを言います。
「番組制作(CM)の経験を活かして、同年代に追いつきたいと思います!」
気を配るところの違いはあるにせよ、番組もCMも映像を作ることは同じです。
CMのPMは番組制作のAPに近い業務内容と言いましたが、共通点が多々あります。
<ADとPMの業務内容比較>
◎番組制作(AD)
■企画会議
■リサーチ・企画提案
■スケジューリング
■取材対象調査・ロケハン・シミュレーション
■取材・ロケ・収録準備(各種手配)
■取材・ロケ・収録(スタジオなど)
■編集(仮編集~本編集)・MA
■プレビュー
■納品・オンエア
◎CM制作(PM)
■企画会議
■資料(ネタ)集め、クライアント提出用の資料作成
■社内外スタッフの連絡・スケジュール調整
■ロケハン・シミュレーション
■各種手配(演者・スタジオ・小道具・衣装・機材など)
■撮影準備
■撮影(現場の仕切り)
■編集、録音の立会い
■試写
■納品
ざっくりとこのような流れになりますが、ADとPMの業務内容は驚くほど似ています。
番組(AD)とCM(PM)の違い
あえて2つのポジションの違いを挙げるならば、下記のようなことをよく聞きます。
■意識の違い
・番組は視聴率を取るため
・CMは商品を売るため
■ステップアップの違い
・番組ADはディレクターやプロデューサーなど、幅広いステップアップが考えられる
・CMのPMはプロデューサーになる方が多い(企画部がある会社ならばディレクター・プランナーなどへの転向なくはない)
■勤務環境の違い
・番組制作会社の勤務は放送スケジュールによって変動する
・CM制作会社はクライアントが一般企業の為、土日祝日は稼働は少ない
会社によって色々ですし、一概には言えませんが、両社を訪れると、雰囲気というか色の違いみたいなものも感じることがあります。
異ジャンルに進む
上記の2人のように異ジャンルに進む方の転職はこれまでに結構サポートさせて頂きました。
・映像を作る
・様々な人とコミュニケーションを取りながら仕事を進める
・映像業界の仕組みや感覚を掴んでいる
作っているものの内容は違っても、これらを基本的なことを経験、備わっていれば様々なジャンルの映像制作に挑戦出来るのです。
番組制作会社もテレビ番組だけを制作しているとは限りません。
CMや企業ビデオ、最近ではWEB動画などのウェブ上の映像制作に力を入れている会社も増えています。
ある番組制作会社では、そのようなニューメディアへの取り組みを強化する為に、専門子会社まで設立しました。
幅広いジャンルの映像制作を楽しめるスキルを磨いていくことがさらに必要になっているようです。
≪石川かおり≫