番組制作会社【未成年者】の採用OK?NG?

2017年7月19日

進路に悩む学生

いつも回答するのにしどろもどろになってしまう質問があります。

それは、こんな質問です。

「未成年なのですが、番組制作会社に就職出来ますか?」

よくある質問なので、“明確”な答えを用意しておけば良いのですが、この質問には“明確”な答えがないのです。

番組制作会社によって未成年者の採用に対する考え方の違いはあるのですが、大体の番組制作会社では、「ダメじゃないけど、すごくウェルカムでもない」という考えが多いような気がします。

また、未成年者と言っても、18歳未満と満18歳超え(18歳~19歳)とでは全然違います。

満18歳未満の方は、労働基準法で以下のような労働時間の上限が定められています。

■1週40時間、1日8時間勤務
■変形労働時間制の適用禁止
■フレックスタイム制の適用禁止
■時間外労働(残業)及び休日労働の禁止
■深夜(22:00~翌5:00)の労働を禁止

その他にも色々と制限があります。

番組制作の仕事の特性上、これらが禁止では周りとのバランスが取れなくなります。

しかし、満18歳を超えている未成年者は、成人と同じ働き方が出来ます。

問い合わせは大体、高校卒業後の進路に悩む18歳~19歳の未成年者です。

労働契約上は何も問題がないのに、テレビ業界への就職ではなぜハッキリと「OK!」と言えないのでしょうか?

テレビ業界:未成年者採用の問題

まず、テレビ局や内定のハードルがかなり高い会社への就職は高学歴であることが求められます。

しかし、一般的な番組制作会社などでは高学歴であることはあまり関係ありません。

最終学歴が高卒であるということが問題ではなく、未成年であるという部分で採用をためらう理由があるのです。

①お酒の席で気を遣う

お酒が入る交流の場が、テレビ業界は多くあります。飲ませないことはもちろん、夜遅くまで酒に酔った人間達と一緒の席にいることは好ましくありません。問題が起こらないと言える保証もなく、会社としては非常に気を遣うことになります。

②親御さんの同意が必要

未成年者が労働契約を締結するには、法定代理人(親権者または後見人)の同意が必要です。長時間労働などのテレビ業界特有の労働環境から、親御さんの同意を得ることが高い壁になることも。

③ビジネスマナー

海千山千の大人達が闊歩するテレビ業界において、未成年者のビジネススキルでは対応出来ないことも多々あります。もちろんこれから覚えていけば良いことですが、他のスタッフよりも気にかける必要があるのは現実です。

このように、未成年者というだけで採用に二の足を踏まれてしまう傾向がありますが、若いうちからスタートすることは良い点もあります。

良い点:若いうちからのスタート

①多くの経験が積める

20代以上でテレビ業界デビューをするよりも、当然多くの経験が積めます。テレビ業界は年齢ではなく、経験がものを言う世界です。

②体力がある

テレビ業界のハードな労働環境に耐えうるほどの体力が若い方には期待出来ます。

③若い感性が活かせる

10代に向けたテレビ番組はたくさんあります。同世代だからわかる感性を活かし、番組作りに反映出来るのではないでしょうか。

その他、未成年者だけに限りませんが、若いうちはミスしてもある程度許させる部分もあります。恥をかきながら成長出来るのは若いうちの特権かも知れません。

我が道を行くなら突き通す!

野球選手などのスポーツ選手は“旬”があるので、学業やその他の経験を優先すると“旬”が過ぎるなんてこともありますよね。

番組制作の仕事はスポーツ選手のそれとは異なります。

仕事以外の経験がその後の仕事に活かせることは大いにあります。

「好きなことをいち早くしたい!」と思えるのは素敵なことですが、一度しかない青春時代(!?)をどう過ごすのか、じっくり考えて結論を出すべきです。

☆高校から大学や専門学校などへ進学

⇒学業以外にも人生における大事なことを学べる機会です!

☆高校からテレビ業界に就職

⇒決めたならチャレンジすべき!
でも、決して進学を選んだ同級生と比べてはいけません。自分が選んだ道に誇りを持って突き進みましょう!

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≪石川かおり≫

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