未経験アシスタントディレクターが“ひくてあまた”の映像クリエイターになった理由
【※経験・スキルを考慮のうえ、当社規定により優遇します。】
求人情報を見ていると、給与条件の欄に上記のような表記を見かけます。
当然、その求人職種に対して「経験もない」「スキルもない」場合は考慮のしようもありません。
「未経験者歓迎!」としている求人はたくさんありますが、ほとんどがアシスタント職であり、勤務条件は決して良いものではありません。
また、テレビ業界の番組制作職に関して言えば、「未経験歓迎!」の求人はどれも同じような求人ばかりです。
仕事内容、勤務条件など、未経験者の選択肢は限られたものになってしまいます。
「未経験でも出来るテレビの仕事はないですか?」
求職者からよく聞かれるのですが、実際に「未経験者でも出来るテレビの仕事」を案内すると、「給与が低い」「休みが少ない」「勤務時間が長い」「好きな番組ではない」「テレビ局で働きたい」などと、納得のいかない様子を見せる方は多くいます。
自分の希望が100%叶う仕事に就けるならば最高ですが、新人のうちは選べる立場にないことの方が多いのです。
つくづく、経験は大事だと思えたある映像プロデューサーの男性がいます。
経験を積むことで、自分のやりたいことに近づき、条件UPも実現出来ることを証明しました。
経験を積む度に好条件になっていく映像プロデューサー
8年前にキャリアトレインの就職・転職サポート面談でお会いしたTくん。
当時、大学を卒業したばかりの22歳でした。
テレビ番組の制作職を希望していて、選択肢はいわゆるアシスタントディレクター(AD)職のみ。
月給は額面18万円のスタートでした。(1年目は賞与なし)
3年後、転職相談に訪れたTくんは、チーフADとして会社の戦力となっていました。
元々、テレビ以外の映像制作にも興味があったTくんは、ディレクターとして他のジャンルを経験してみたいと考えるようになっていました。
音楽プロモーションビデオやイベントブース映像、TV-CM、映画などを制作している2社の選考を受け、大手の映像制作会社に転職しました。
肩書きは映像クリエイター。給与条件も格段に良いものとなりました。
それから5年が経った30歳のTくんは、大企業のプロモーション映像も手がける映像プロデューサーとなっていました。
社内の組織変更を機に、新たなステージを求めて転職活動を始めることに。
Tくんの今回の転職活動はと言うと、、、
一言で言って「ひくてあまた」
映像プロデューサーとして年齢以上の経験を積んでいるTくんをめぐり、企業の争奪戦が始まりました。
若いプロデューサーが持つ独特の調子に乗っている感のないTくんは、人間性も評価の対象となっています。
あらゆるジャンルの映像制作を経験してきたTくんは、急成長中のIT企業でネット動画コンテンツプロデューサーとして現在活躍しています。
条件はもちろん大幅UP!一般企業で働く同世代の平均給与額のダントツ上をいっていることは間違いありません。
結果は自然についてくる
Tくんは、条件を上げることだけが転職の動機ではないことはわかると思いますが、転職時に特に給与交渉などはしてきませんでした。
これまでの経験を企業が評価し、結果として自然についてきたのです。
ただ映像制作者としての年数を重ねただけでついてくるものではありません。
経験+能力⇒実績(成果)
「何年でディレクターになれますか?」という質問を、テレビ番組の制作職希望者からよく受けるのですが、返答に困ってしまいます。
平均3年~5年、、、かなぁ、、、
番組制作の世界は年功序列ではありません。
先輩を飛び越えて、1年~2年でディレクターになるアシスタントディレクターもいますし、最短で3ヶ月でディレクター業務を任せられたアシスタントディレクターも知っています。
3年~5年、アシスタントディレクターをやらなくてはいけない決まりはありません。
また、ディレクターの業務内容やスキルにも差があるので、なったからと言って終わりではありません。
常に上を目指す中で、どれだけ頑張ることが出来るのか?人それぞれです。
やりたいことをやりたければ、条件を上げたければ、、、経験+能力⇒実績(成果)!
これしかないのですね。
《石川かおり》