一般的なイメージとは全然違う!?テレビ業界の「派遣」という働き方

2022年8月17日

「テレビ業界は派遣スタッフで成り立っている」

そう言っても過言ではありません。

テレビ局の中で働いているスタッフの大半が、どこかから派遣されてきている方です。

■某ニュース番組
例えば制作アシスタント(サブ的な役割をしている)スタッフが60名程います。
この60名程の制作アシスタントはすべて派遣スタッフです。
24時間365日放送している番組のため、アシスタントだけでこれだけの人数が必要となります。
派遣スタッフがいなければニュースが放送できないということです。

■某バラエティ番組
テレビ局内には番組毎にスタッフルームがあります。
このバラエティ番組のスタッフルームには、ADやディレクター、AP、制作デスクなど、制作に関わるスタッフが40名程います。
番組制作会社のスタッフがデスクを置いているだけのケースもありますが、その他は全員派遣スタッフです。
複数の派遣会社からの派遣スタッフが集まって、1つの番組(コーナー)を制作しています。

番組制作に関わる会社は大きく分けて2種類あります。

①テレビ局へのスタッフ派遣が中心の会社
②自社で番組を制作している番組制作会社

自社で制作して、派遣(テレビ局に出向という形もあり)もしている会社もあります。

「派遣スタッフ」と言っても、所属している会社との雇用形態は「正社員」であることがほとんどです。

2015年派遣法改正により「派遣先の同じ事業所における派遣労働者の受け入れは上限3年」という、「派遣3年ルール」が適用となりました。

しかし、この「派遣3年ルール」が適用にならないケースがあります。

「派遣会社と無期雇用派遣契約を結んでいる場合」

部署・職種によっては、「派遣3年ルール」前提で働いている方もいるかと思いますが、テレビ番組の放送に関わる業務に関しては3年を超えて働き続けることが前提です。

その為、派遣会社(所属している会社)とは、「正社員」または期限のない雇用契約の「無期雇用派遣」となり、「派遣3年ルール」は関係ありません。

このようにテレビ局へ派遣されている、主に番組制作に関わるスタッフの場合、「契約期間満了だから終了」という状態にはならないわけです。

しかし、「派遣」という働き方には、ややネガティブなイメージを持つ方も少なくありません。

「派遣」のイメージ?

派遣という働き方に対して、こんな不安を感じる方もいます。

・安定しない
・大事な仕事を任せてもらえない
・給与などの待遇が悪い
・仕事内容が限定的で成長できない
・社会保障が少ない
・出世できない
・転職の際に不利になりそう
・よそ者扱いされそう
・即戦力として期待されるのでプレッシャーになる
・昇給しない

一般的な「派遣」という働き方には当てはまる部分もあるかもしれません。

しかし、テレビ業界の「派遣」はほとんどが正社員雇用のため、上記のような「正社員との差」を感じさせるようなことはありません。

テレビ業界での「派遣」は、一般的な「派遣」のイメージとは下記のようなことが異なります。

・ディレクターやプロデューサーになれる
・テレビ局は労務管理がしっかりしているので労働環境が良い
・所属会社に決められた派遣料が入るので、安定した収入が確保できる
・正社員または無期雇用派遣契約なので期間満了で職を失うことはない
・派遣スタッフがいなければ番組は作れないので戦力として扱われる
・派遣条件として社会保険加入などが義務付けられているので安心

特にアシスタント(入社間もない頃)のうちは、自社で番組を制作している番組制作会社の社員との差はほとんどありません。

基礎を学ぶうちはどこだって同じとも言えます。

その後は個人の能力やパフォーマンス次第で給与や待遇に差がでてきますが、「派遣だからよくならない」なんて言ったらただの言い訳になってしまう可能性があります。

「派遣だから」ではなく、所属している企業によって待遇の格差がでることはもちろんあります。

その場合は、「転職」を視野に入れて、より良い環境を探すまでです。

まずは、テレビ業界における「派遣」という働き方を理解すると企業選びがスムーズになるかと思います。

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<石川かおり>

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