求人票に書いてある『各種社会保険完備』とは?
就職すると会社の保険に加入することになります。
例外はあるものの、ごく一般的な会社の場合、法律で強制加入となっています。
正社員(役員を含め、常勤社員)以外でも、一定の条件を満たせば加入対象となります。
◎契約社員
雇用契約期間が2ヶ月を超える人。
当初2ヶ月契約だったとしても、契約が更新されたら3ヶ月目から加入となります。
◎アルバイト、パート
正社員の3/4以上の勤務時間・勤務日数を働いている人。
常勤社員が週5日、1日8時間勤務の場合⇒週4日以上かつ1日6時間以上で加入対象。
各種社会保険完備とは?
求人票の中によく見かける、『各種社会保険完備』という記載。
各種とは、下記の4種のことを言います。
■厚生年金保険
将来年金の支給を受ける際に、国民年金に上乗せされる形で支給される保険。
また、何らかの事情で長期間働けなくなった場合に支給される保険です。
■健康保険
病気やケガによる医療費を補填する保険。
また、病気や出産で働けなくなった場合、一定期間の賃金補填や一時金が支給される保険です。
※出産育児一時金は、1児ごとに30万円が支給されます。
■雇用保険
別名:失業保険。再就職先が見つかるまでの一定期間、職業訓練や失業給付金を受け取るための保険。
また、育児や介護などの理由で働けなくなった場合も給付を受けられる保険です。
■労災保険
仕事中や通勤途中にケガで負傷したり、病気になったりした場合、治療費や治療中の賃金を保障する保険。
また、後遺障害や死亡した場合には労働者や遺族へ保険給付が行われる保険です。
その他、会社全額負担で民間の保険に上記4種にプラスして加入している会社もあります。
それでも社会保険に加入しない理由
給料を受け取る人がいる限り、会社は社会保険加入が義務となっています。
それでも、加入したがらない会社もあります。
私が人材紹介の仕事を始めた10数年前は、社会保険に加入していない番組制作会社や芸能プロダクションはたくさんありました。
中途半端に、雇用保険だけは加入している会社なんていうのもありました。
今のように労働問題に敏感になっていない時代だったので、会社も働く人も強く意識していなかった気がします。
今でもたま~~~~に、社会保険未加入の会社を見掛けますが、テレビ局と仕事が出来なかったり、意識の低い会社は包囲網を張り巡らされる時代となりました。
なぜ会社は社会保険に加入したがらないのでしょうか?
年々増え続ける保険料率
■厚生年金 ⇒ 会社が半分負担
■健康保険料⇒ 会社が半分負担
■雇用保険 ⇒ 一部会社負担
■労災保険 ⇒ 全額会社負担
例えば厚生年金の保険料は、2017年9月から『18.300%』に引き上げられ、会社の負担はさらに増加しました。
義務と言えども、会社の負担は大きなものになっているのも事実です。
社会保険完備でも注意したいこと!
『各種社会保険完備』という雇用条件で入社したとしても、会社によっては試用期間終了後に加入というところがあります。
法律では、雇用契約期間2ヶ月以内ならば強制加入ではないので、当然社会保険未加入期間とする試用期間も2ヶ月かと思いきやそうでもありません。
試用期間が3ヶ月、6ヶ月としている会社は多々あり、その間社会保険未加入という会社もあります。
本当はダメなんですけどね、これは結構あります。
少しくらいの間、未加入だからと言って、、、という部分もありますが、内定受諾前に必ず確認が必要です。
まだ、試用期間終了後に社会保険に加入するなら全然良い方です。
はなから未加入を押し通す会社は今時問題です。
思うような採用が困難になっている現代で、社員の離職を抑止しようとする会社が多くなってきました。
それこそ、福利厚生を充実させ、社員が居心地の良い会社を作る努力を惜しみません。
社会保険未加入の会社は、「社員がいつ辞めても構わない」と言っているようなものです。
このような会社はひとまず簡単に見付けられますね。
≪石川かおり≫