ギャップは大きい!?テレビ業界とザ・ゆとり世代

2015年12月7日

嫌なことはしない若者

先週の『ワイドナショー』(フジテレビ)を観ていてあんぐりしました。

元兵庫県議・野々村竜太郎氏が裁判を欠席したニュースについて取り上げた際、音楽ユニット『水曜日のカンパネラ』のコムアイさんが「私も、きょう行きたくない日あるなと思って。行かないっていう日があってもいいんじゃないかな」とコメント。

『水曜日のカンパネラ』のコムアイさんは23歳の現役大学生。(慶應義塾大学)

いわゆる“ゆとり世代”ですが、、、とすると???

「行きたくなければいかなければいい」
「やりたい仕事がなければしなければいい」

ゆとり世代に限った話ではないですが、このように考える若者が多いようです。

テレビ業界で多発する「バッくれ」はやはり

誰だって「ダりぃな、行きたくないな、サボりたいな」と思うことはあります。
ストレス社会において、魂の洗濯は必要ですが、ずっと洗濯しているわけにはいかんのですよ。

テレビ業界に関わっていると頻繁に耳にするのは「バッくれ」という言葉です。
何だか知らないけどいきなり会社に来なくなる若いスタッフが多いこと。
まさに上記の心理が働いたのか、、、「行きたくない」⇒「辞めるって言うのも面倒だし、バッくれちゃえ」

先日のブログ「サイレント辞退!?急増するバックレ就活生」でも紹介した『サイレント辞退』だってそうです。

企業に内定辞退を告げず、ひたすら連絡を無視するのは「話したくない」「そういう気分じゃない」「言わなくてもわかるでしょ」ということでしょうか?

大人世代はハングリー精神を押し付けている?

ゆとり世代を一括りにするのは気が引けますが、傾向としてお話させてもらいます。

先日あるゆとり世代の就職希望者と話した時のこと。

番組制作のアシスタントディレクターになりたいと口では言うのですが、明らかにやる気が伝わって来ないのです。
今時ちょっと調べればアシスタントディレクターの情報は手に入るはずですが、何一つ知らないし、知りたいという欲求も伝わって来ません。
よくよく話していると、「特にやりたいこともないし、テレビを見ていたら何となく面白そうかなぁと思って」と。。。

聞けば、この方はこれまでに「何になりたい!」とか「こうなりたい!」みたいな希望を持ったことがないそうなのです。

私のはとこの小学生もそうなのですが、何につけてもあまり頑張らない。
マラソン大会で真ん中以下でも「足が痛かったし」といきなり言い訳。
しまいには「どうせ勝てないのだから頑張ってもしょうがない」と来たもんだ。
周りはまだ小学生なんだからわからないと言いますが、親父犬の私はイラっとしてしまいます。

しかし、合理的といえば合理的な考え方です。

「勝てないのに頑張る」 不合理?

どうも大人世代は「がむしゃらに頑張る子」を期待しすぎる感があります。
「夢を持て!」「諦めるな!」「目標は高く!」と・・・。

希望を持つ

テレビ業界ではやはり必要な・・・

上記のような若者論を社内で繰り広げていた同じ日に、ある番組制作会社を訪問して頭が混乱してしまいました。

「テレビ業界志望者が年々減っていくのはこういったギャップからなのかなぁ」と思ってしまったのですが、この番組制作会社が求める人物像は「テレビ業界で何者かになりたい!」と思う方だそうです。
ディレクターとしてでもプロデューサーとしてでも、テレビ業界で何かしらの爪痕を残してやろうという意気込みが必要だということです。

私はもの凄く理解出来ます。そういう方を採用したいと私でも思います。

ただ、最近のテレビ業界志望者を見ていると、そこまでの意気込みを持って入ってくる方はほとんどいない・・・ような気がしています。

この番組制作会社曰く、「何百人に1人でもいればいい、誰でも構わず採用するつもりはない」と。

在籍スタッフの面々を見ていると、見るからにやる気に溢れているというわけではありません。
ただ、内に秘めた闘志のようなものが話していると伝わってくるのです。
「テレビ業界で何者かになりたい!」と思っている方はいるのです。ゆとり世代でも。

まとめ

わたしも「やりたくないことはやらない」なんてカッコつけていた時代はありました。
ところがどうでしょう?大人になったらむしろやりたいことの3分の1も出来ていません。
ただ、そのやりたいことをやる為にやりたくないことをやっていると実感しています。ふぅ。

「精神的に向上心のないものは、馬鹿だ」

夏目漱石『こころ』に出てくる台詞です。
夏目漱石の時代でも「向上心があるだのないだの」という話はあるようですね。

「こうでありたい」と思って努力することを馬鹿にしてはいけないし、面倒なことから逃げ続けてはいられないということを、いつの時代・世代でも正しく捉える必要はあるのではないでしょうか?

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《石川かおり》

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