「テレビ業界だから無理」は通用しない!二極化する番組制作会社

2018年9月12日

二極化

テレビ番組制作のアシスタントディレクター(AD)は“激務”というのは、 すっかり浸透している認識かと思います。

しかし、この1~2年でその認識がダダ崩れになる変化が起こっているのです。

違法残業により相次いだ過労死事件が『働き方改革』のきっかけとなったと言われていますが、テレビ業界では民法キー局5社すべてが労働基準法違反で勧告を受けるという異常事態が起こっていたのです。

在京民放キー局が是正勧告で指摘された主な違反内容
出典:共同通信社 2018/6/30

いくらなんでも、これで危機感を持たないほど、テレビ業界は問題意識に欠けているわけではありません。

・1週間家に帰れない
・1ヶ月間休みがない
・深夜12時から会議が始まる

以前は“ADあるある”とされていた、こんなことは過去の話になっているのです。

テレビ局主導の『働き方改革』

東京テレビ局では、自社のスタッフを局に派遣している派遣会社や制作会社を集めて、労働時間管理について説明会を行っています。

これまで徹底されていなかったタイムシートの提出や、管理システムの導入など、確実に具体策に乗り出しています。

各テレビ局の働き方改革(一例)

A局:スタジオ収録を原則22時に終了
B局:放送に関係ない土日の出入り禁止
C局:残業は月45時間以内

また、各局共通して下記のような取り組みも目立ちます。

・外部スタッフの増員
・深夜会議の禁止
・業務の分業化(スタジオ収録だけ携わるスタッフなど)
・制作を効率化するシステムの導入

2018年は『働き方改革』が加速予想!
2017年12月11日「『働き方改革』テレビ業界だって取り組んでいる!?」

二極化する制作会社

しかし、番組制作スタッフの労働環境はまだまだ改善されているとは言い難いデータもあります。

テレビ番組の制作会社約120社でつくる「全日本テレビ番組製作社連盟」(ATP)は13日、加盟社を対象とした働き方に関するアンケート結果を発表した。アシスタントディレクター(AD)の平均の時間外労働(残業)が「過労死ライン」とされる月80時間を超えるなど、過酷な労働実態が明らかになった。

出典:共同通信社 2018年7月13日

一方で、「週に1~2日は必ず休む」「遅くても終電で帰る」などを実践している番組制作会社もあります。

キャリアトレインの転職サポートでも、以前は多かった「休みがなくて・・・」というADさん達の相談もかなり少なくなりました。

ほんの少し前までは、あまりにも眠すぎて面談中に目が虚ろになってきたADさんもいたのものです。。。

先日お会いしたADさん2人は、こんなことを言っていました。

Aさん「時間を持て余しているようで、もっとバリバリ働きたいです」
Bさん「早く帰れるので毎日走っています」

担当する番組のジャンルやスケジュールにもよるのでしょうが、ちょっとびっくりです。

ADの労働環境改善を中心にした改革は、ディレクターや管理者の負担が増えたり、無理に時間内におさめようとすることで様々な歪みが生まれるという声もあります。

しかし、労働環境を改善することは、「テレビ業界だから無理」という言い訳はすでに通用しなくなってきているような気がします。

実際に実践して成功している番組制作会社が存在するからです。

番組制作にご興味をお持ちの方は、ネガティブな情報ばかりに惑わされず、会社選びをして頂きたいと思います。

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≪石川かおり≫

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