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国も推奨!『副業』とは?『複業』や『兼業』との違い

2018年に厚生労働省より「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が発表され、「モデル就業規則」から副業禁止規定が削除されました。

国(政府)は働き方改革の一貫である、『副業』を推奨しています。

モデル就業規則では、「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」という副業規定を新たに設け、企業の副業解禁の動きが進むことになりました。

『副業』を解禁する企業が増えているなか、実際に『副業』をしているビジネスパーソンはどのくらいいるかと言うと。

Q.「あなたは今、副業をしていますか?」

 

 

 

 

調査時期:2023年8月
対象者:20~59歳の正社員15,000人
出所:「転職サービスdoda

また、「Z世代」を対象にしたアンケート調査では、副業についてのアンケートを行ったところ副業中と意欲あり層を合計すると全体の約4割という結果となりました。

「現在副業をしている」(14.00%)
「今はしていないが興味はある」(24.33%)
「していないし興味もない」(46.67%)
「会社で禁止されている」(15.00%)

調査時期:2023年10月25日〜12月10日
対象者:全国の1996年4月2日〜2008年4月1日生まれの男女
出所:「MERY Z世代研究所

『副業』とは?『複業』や『兼業』との違い

『副業』とは、本業以外の仕事をして収入を得ることを言います。

『副業』は『ダブルワーク』という言い方もします。

似たような言葉では、『複業』や『兼業』という働き方もあります。

■複業:
複数の仕事を掛け持ちする働き方のことを言います。
「パラレルキャリア」や「パラレルパラレルワーク」とも呼ばれています。
多くの労力や時間をかける『本業』があって、『副業』をしている状態とは異なり、『複業』はどの仕事も同じように取り組むことが特徴です。
言うなれば、すべての仕事が『本業』ということになります。
複数の仕事に同時並行で取り組むことにより、幅広いキャリアと将来にわたる多様な収入源をつくることができます。

■兼業:
本業とは異なる仕事にも並行して従事すること、又は自ら事業を営むことです。
メインとなる本業の仕事があり、別の仕事も行う働き方は『副業』と似ていますが、『兼業』は本業と同じくらいの労力や時間をかける仕事です。

副業のメリット・デメリット

副業のメリット

スキルアップ:
本業では得られないスキルや経験を身に付けることができます。

収入アップ:
働いた分だけ、収入が増えるのはもちろんですが、金銭面で余裕ができることにより心の余裕にも繋がります。

やりがいを得られる:
やりたいことや挑戦したいことを仕事にすることができるので自己実現が追求できます。

これらを転職することなく実現できるのが『副業』のメリットです。

副業のデメリット

過重労働になる:
本業との両立により労働時間が長くなり心身ともに負担が増えることになります。

スケジュール管理が難しい:
本業も副業もおろそかにならないよう自己管理を徹底する必要があります。

税金の処理が必要:
副業で一定の収入を得ると自身で確定申告を行わなければなりません。

どのような副業をするのかにもよりますが、そうそうまとまった収入を得られるわけでもないことがほとんどです。

副業の注意点

『副業』をして収入を得るには、様々な注意点があります。

未然に防ぐためにも、副業を開始する前に要チェックです。

①会社(本業)の就業規則を確認する
会社が就業規則で副業を認めていない場合、副業発覚により就業規則違反となる可能性があります。
また、就業規則で副業の申請をする必要があることもありますので、会社の副業に関するルールは真っ先に確認しましょう。

②「競業避止義務」「秘密保持義務」を守る
本業と競合する業務を行わない義務(競業避止義務)や、副業で当該秘密を漏えいしない義務(秘密保持義務)など、これらの行為に抵触しないように注意しなければなりません。

③公務員の副業は法律で禁止されている(2024年7月時点)
国家公務員法と地方公務員法により、免職、停職、減給又は戒告処分の対象となります。

④損失が出る可能性がある
株式や投資信託、不動産投資などの副業は利益が出るとは限りません。

⑤翌年の住民税と健康保険料が増える
副業による収入が増えると、翌年の住民税が増える可能性があります。
健康保険料は、前年度の所得額に応じて増加するので注意が必要です。

副業したらしなければならないこと

副業による給与以外の所得(利益)が年間20万円を超えると確定申告の必要があります。

副業の年間所得が20万円以下だとしても、本業の会社で年末調整をしていない場合は確定申告が必要となります。

また、以下の条件にすべて該当する場合は社会保険への加入義務が発生します。

・副業先企業で週20時間以上勤務する
・月額賃金が8万8,000円を超える
・雇用が2ヶ月以上続く見込みがある
・学生ではない

本業と副業の両方で週20時間以上働く場合は、どちらの職場で社会保険に加入するか選ぶことができます。

まとめ

副業を始める前に確認することや、本業に支障をきたすことのないよう計画を立てることが重要です。

また、本業の就業規則に「副業禁止」と記載がなくても、社内での理解や協力が必要な場合もあります。

本業も副業も成功させるために、無理なく、順序良く、スタートしてみてください。