求人情報と違う!増え続ける求人詐欺

2016年6月22日

契約書に印鑑を押す

NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」を観ていたら、高畑充希さん演じる主役の常子が仕事を必死に探す場面で耳を疑う一幕がありました。

常子は新聞に掲載されていた求人広告を見て、ある企業を訪ねたのですが、求人広告と実際のお給料が全然違うのです!

企業の担当者は悪びれもせず言いました。

「本当のことを書いたら誰も応募してこないし、何もないよりましでしょ?」

「信じられない!」「昔は酷かったんだねぇ!」と思いますよね?

現代でも平気でこのようなことをしている企業があるのです・・・。

給料・休日・勤務時間など、高待遇を謳って人を集める、いわゆる【求人詐欺】が横行しているという事実。

昨今の人手不足を背景に、求人詐欺を働く悪徳企業は増え続けているのです。

≪求人詐欺相談件数≫

9,380件(13年度) ⇒ 12,252件(14年度)

※厚労省集計「ハローワークの求人票が実際の労働条件と違う」

面接の段階で求人詐欺に気が付くならまだしも、ほとんどの場合で時すでに遅し状態で発覚します。

前職を退職した後、入社直前、入社後の契約段階、初任給で発覚!?

ハローワークで紹介してもらう求人だから、大手求人広告サイトに掲載されている求人だから安心ではありません。

掲載側は企業の求人詐欺を知る由もなく、防ぎようがないのです。

では、野放しにされている求人詐欺を撲滅するすべはないのでしょうか?

いよいよ始まったブラック企業対策

今年3月にスタートした新制度では、労働基準法違反を繰り返すブラック企業からの求人はハローワークで受け付けないことになりました。

しかし、労働基準法違反とは長時間労働や残業代の不払いなど、入社後のお話です。

入社してからでは遅い求人詐欺を防ぐことにはなりません。

【求人詐欺】への罰則が必要!

今月に入って、厚生労働省は職業安定法改正を検討していることを発表しました。

ハローワークに虚偽求人「罰則を」

職安法は企業が人材募集する際に労働条件の明示を義務付け、自社サイトなどで直接募集して採用する場合は虚偽に対する罰則がある。しかし、ハローワークや大学を含む民間紹介事業者へ賃金などを偽って求人を出しても罰則の対象外のため、懲役や罰金を科せられるようにする。

毎日新聞 2016年6月4日

このような国の対策は求人詐欺の抑止効果を期待出来るものだと思いますが、罰則を適用される企業はほんのわずかで、ほとんどの方が泣き寝入りしている実情が私はあるのではないかと思います。

どのような求人詐欺があるのでしょうか?

代表的な3つの求人詐欺

給料が違う

⇒求人広告には「月給25万円~」と記載されていたのに、入社後の交わした契約書には「月給18万円+固定残業代5万円」と書かれており、しかも60時間以上の残業をしないと固定残業代5万円は支払われないという!?

雇用形態が違う

⇒6か月間の試用期間終了後に正社員になれるという募集だったのに、契約社員のままさらに半年が過ぎてしまった。

休日・勤務時間が違う

⇒転職サイトには、完全週休2日制(土曜・日曜)、祝日と書かれていたのに、月2回の土曜出社が社則になっていた。

どれもこれも、生活していくうえで大事なことばかりです。

求人広告に事実が記載されていたら応募自体を見送る可能性があります。

求人詐欺対策

騙す方はあの手この手で応募者を陥れようとします。

100%完璧に求人詐欺に遭わないようにする方法はありませんが、やっておいた方が良いことはあります。

求人広告の内容を確認する

⇒給与や残業時間など、企業に聞きづらいと思うことも必ず確認。求人広告には基本、会社に不利な情報は掲載されていません。

ググる

⇒企業名を検索すればあらゆる情報が出てきます。企業の評判、社員のSNSなど、ブラック臭をかぎ分ける必要があります。

データで確認

⇒「3年以内の離職率」「平均勤続年数」「所定外労働時間の実績」「産休育休取得実績」など、出来る限り企業に公表してもらいましょう。

上記に加えて、、、

求人広告の画面を魚拓していく!
面接や条件確認の場を録音しておく!

など、証拠を残して何かあった時に使用する事も出来ますが、何かある前に対策したいものです。

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≪石川かおり≫

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