休日は自分で作る!?テレビ業界の働き方

2016年4月20日

帰省

「夏休みとか年末年始って休めるんですね。」

キャリアトレインの転職サポートで来社した求職者が求人票を見ながら呟きました。

テレビ番組制作のアシスタントディレクター職を希望しているこの求職者は、テレビ業界は休みが少なくて残業が多いというイメージを持っていました。

確かに一般的な職業よりもそういった傾向がありますが、“ものづくり”の世界ではよくある働き方です。

ただ、昨今のテレビ業界にも時代の流れと言いますか、その働き方に確実な変化が見えてきました。

人並みに(笑)休む時は休んでいるのです。

《例:夏休みの場合》

①お盆休み(8月13日~15日)
②7月~9月の間に○日間休み
③9月の番組改編までに放送される特別番組制作が終わってから

《例:年末年始の場合》

①12月29日~1月3日
②年末年始に生放送番組を担当している場合は放送終わりから
③年末年始に放送される番組を※完パケしてから
※完パケ・・・完全パッケージの略。編集が済んで放送出来る状態になった映像のこと

番組制作の進捗によっては、10月~11月に夏休み、年末年始休暇は1月後半~2月になってしまうスタッフもいます。

なかなか一般的な職業のように決まった時期にまとまった休みは取りづらいのですが、「それ!今なら休めるぞ!」という時期が必ずポツっと来るものです。

スタッフの労務管理がバッチリ出来ている番組制作会社は少ないので、自分で主張する必要があります。

入社したてのアシスタントディレクターが長めの休みを主張するのも違和感ですが、慣れてきたら自分の休みは自分で確保するくらいのコントロールが必要です。

休みの制度にも色々ある

■専門業務型裁量労働制
→労働時間を自分自身で管理する制度

■シフト制
→勤務する日付、時間を決めて仕事をまわす制度

■週休2日制
→1ヶ月の間に週2日の休みがある週が1度以上ある制度

■完全週休2日制
→毎週必ず2日間の休みがあること制度

番組制作会社の場合、【専門業務型裁量労働制】が多くの会社で取り入れられています。

専門業務型裁量労働制の対象業務(厚生労働省)

(1)新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務
(2)情報処理システムの分析・設計の業務
(3)新聞・出版・テレビ・ラジオなどの取材、編集の業務
(4)衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
(5)放送番組、映画等の制作の事業におけるプロデューサー又はディレクターの業務
(6)コピーライター業務
(7)システムコンサルタント業務
(8)インテリアコーディネーター業務
(9)ゲーム用ソフトウェアの創作の業務
(10)証券アナリスト業務
(11)金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発の業務
(12)学校教育法に規定する大学における教授研究の業務
(13)公認会計士の業務
(14)弁護士の業務
(15)建築士(一級建築士、二級建築士及び木造建築士)業務
(16)不動産鑑定士の業務
(17)弁理士の業務
(18)税理士の業務
(19)中小企業診断士の業務

何時に出社しても退社しても個人の裁量で働けば良いのです。

原則何時間働いても残業代は発生しません。

帰省すると帰ってこない!?

テレビ業界にはこんな都市伝説(?)があります。

「夏休みや年末年始でアシスタントディレクターを帰省させると帰って来ない。」

それにはこんな理由があるのではないか、と言われています。

①地元の友達と比べる

一般的な職業で働いている友達と自分を比べると気付いてしまう。

「みんな週休2日で定時に退社してる・・・いいなぁ。」

休みが取れる仕事に羨望の眼差し?

②考える時間が出来てしまう

毎日忙しく働いているアシスタントディレクターが、ふと時間が出来た帰省タイム。

「俺(私)はこれでいいのかなぁ・・・。」

働き方や将来について漠然と不安になる?

デキるテレビマンの休日

たまの休みに何をしているかで、仕事に差がつくこともあります。

疲れているからといって、寝て過ごすだけで終わる休日では何も得られません。

番組アシスタントディレクターが、「忙しくてテレビを観る暇がない」と言います。

大体がテレビが好きでテレビ業界に入ってきたのに。

ただ、デキるアシスタントディレクターは忙しくてもテレビを観ています。

ディレクターやプロデューサーでも同じです。

リアルタイムで観ることは出来ませんが、録画して話題の番組から気になる番組まで網羅しています。

テレビ業界に入って間もないアシスタントディレクターは、「純粋にテレビを楽しめなくなりました。」なんてよく言います。

画面には映らないスタッフの動きやどう編集されたのかなど、気になって仕方ないそうです。

こうなると、すでに“プロ”ですね!

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《石川かおり》

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