求人には裏がある!単純に年齢制限出来ない理由

2016年4月6日

会社に貢献

先日、ある女性起業家を取り上げた番組をやっていたのですが、「やっぱりなぁ」と大きく頷きながら観てしまいました。

この女性起業家はアメリカで輝かしい学歴と就業経験を得て帰国したのですが、38歳という年齢のせいで100社以上の企業から不採用の通知をもらうことになったのです。

この方のように、せっかく海外で学問や就業経験をしてきても、日本で待ち受けている現実にがっかりした方は多いのではないでしょうか?

転職サポートでご来社いただいた求職者の方にもたくさんいました。

キャリアトレインの場合、テレビ・エンタメ・マスコミ業界の仕事を専門にご紹介していますが、実はシビアな年齢制限がある業界です。

採用企業は、20代後半~の応募者には【即戦力】としての経験・知識・スキルを求めます。

つまり、20代後半~の未経験職へのチャレンジは簡単ではありません。

すべての求人は年齢不問!?

求人サイトを見ると、年齢制限を記載しているものとしていないものがあります。

<記載されているもの例>
35歳までの方(長期勤続によるキャリア形成を図るため、年齢制限を設けています)

長期勤続による・・・?わかるようなわからないような・・・。

年齢制限を記載するならば、このような【年齢制限を行う場合の例外事由】を記載しなくてはなりません。

例外事由-1号 定年年齢を上限として募集・採用する場合
例外事由-2号 法令などで年齢制限が認められている場合
例外事由-3号のイ 長期勤続によりキャリア形成を図る観点から若年層を募集・採用する場合
例外事由-3号のロ 技能・ノウハウの継承の観点から特定の年齢層が少なく、かつ期間の定めのない労働契約の場合
例外事由-3号のハ 芸術・芸能の分野で表現の真実性などが問われる場合
例外事由-3号の二 60歳以上の高齢者、または国の雇用促進施策の対象となる場合

なぜならば、年齢制限をすることは禁止されているからです。

年齢制限禁止ポスター

雇用対策法が改正され、平成19年10月から、事業主は労働者の募集及び採用について、
年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならないこととされ、年齢制限の禁止が義務化されました。

厚生労働省

【年齢制限を行う場合の例外事由】が記載されていなければ、すべての求人は年齢不問というわけです。

さて、現実は?

年齢不問なわけがないのです。

求人情報の裏側

年齢不問の職業もあるかと思いますが、ほとんどの企業では採用の際に年齢制限を設けているのが現実です。

キャリアトレインのような人材紹介会社に企業が人材の紹介を依頼する際、「○○歳まで」という要望が必ずあります。

それを求人サイトにそのまま記載出来るかというと難しい場合があります。

求人企業が「○○歳」までと年齢制限をする理由が、上記の【年齢制限を行う場合の例外事由】に当てはまらないからです。

例えば、、、

・若いほど給料が低く抑えられるから
・年上の部下は扱いにくい
・社内の年齢構成のバランス

さらにややこしいのは、、、

「経験不問!35歳までの方」に隠された年齢制限

未経験者ならば25歳くらいまで
35歳に近づくほど即戦力となる経験が必要
35歳までと言っても本当に欲しいのは32歳くらいまで

実際は経験不問でもなければ35歳までが上限でもない、こんな求人はざらにあります。

経験不問だけれども、その年齢ならば○○○のスキルや経験は持っていて欲しい。

例えば、「25歳~35歳までの方」とあっても、25歳と35歳が同じスキル・経験ならばほぼ確実に25歳を採用します。

個人で転職活動をしている方は、求人サイトを見て、要件が当てはまるから応募したのにNG食らったなんてことがあるかと思います。

企業からの要望を代弁している人材紹介会社では、納得がいかないこともあるかと思いますが、少なくてもNG理由を知ることは出来ます。

年齢の壁を越えるには?

キャリアトレインの場合、企業から「○○歳まで」という要望をもらっているからといって、簡単には諦めません。

多少の年齢オーバーであれば、求職者の持つスキル・経験でカバー出来ることもあるのです。

ポイントは3つあります。

  • ①年齢以上のスキル・経験をアピール
    ②採用するとどれほどの貢献が期待されるかをアピール
    ③人柄でアピール

この中でも、私は③人柄でアピールが一番ポイントになるのではないかと思っています。

人柄の良さは、誰もが持てる武器ではありません。

「この人と一緒に働きたい!」と思わせることが出来る方は、スキルや経験を超越出来る方です。

逆に、こんなアピールでは年齢オーバーを払拭出来ません。

「やる気は誰にも負けません!」
→具体例がない。他にアピール出来るものがない?

「以前から興味があり~」
→なぜ今なのか?以前に挑戦しなかった理由は?

「御社に入って勉強をしたいです!」
→即戦力ではない。学ぶ時間が必要?

いくつになってもチャレンジする気持ちはとても大事だと思いますし、それが出来る方を私は尊敬します。

ただ、転職となると選ぶ仕事によっては適齢があります。

経験があるなら尚更、どうしたら受け入れられるかがわかるのではないでしょうか?

「求人には裏がある」ということを知った上で、純粋に突っ走るでもなく、すぐに諦めるわけでもなく、自身が持つ武器を整理して挑んでもらえたらと思います。

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《石川かおり》

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