【実録!逃亡AD】3度の裏切り!その理由とは一体!?

2012年12月10日

「うちなら絶対ありえない」と言う会社もあるかと思う。

社員の無断欠勤

番組制作会社ならずとも、どこの会社でも許されない行為だ。

しかも3度も・・・。

さすがに3度目でジエンドだったが、
ここまでの醜態をさらしたアシスタントディレクターN君(21歳)のお話をしよう。

仕事を選ぶ際、何となく番組制作会社の門を叩いたN君は、
好きなバラエティ番組を制作しているM社に入社することに。

M社は通常のレギュラー番組に加え、
1年に数回放送される特番も制作している超多忙な制作会社である。
しかも少数精鋭。規模は小さい方の会社である。
だからなのか、社長がお父さん、事務・デスクの女性がお母さんのような、
社員がまるで家族のように仲が良い会社でもある。

面接で「テレビの仕事がやりたい」と言うN君を、
何も出来ないところから育ててあげようと温かく受け入れたのだ。

まずは先輩ADの指示に従って、買い出しや資料の整理など、
番組制作にかかわる雑用をこなすことからスタート。
座学で丁寧に“番組制作とはなんぞや”なんていう研修はない。
ほとんどの番組制作会社もそうであるように、
実践あるのみなのである。

新人といえども勤務は深夜に及ぶこともあり、
最初の2週間で休みはなかった。

N君が入社した時期は番組の収録日が迫っており、
特に忙しいスケジュールでもあった。
ただし、収録→編集→放送と無事に終われば、
束の間ではあるが休みが待っている。

もちろんN君もこのようなことは承知で入ってきた。

とは言え、慣れるまではツライだろう。
そうだろうとも・・・。

というわけで1度目の逃亡がここで起きたのだ。

しかも収録前日!

その日は明日のスタジオ収録に向けて夜を徹しての準備が行われるはずだった。

N君も戦力として分担されている仕事は山積みだった。

それを全部投げ出して、まったく連絡が取れなくなってしまったのだ。

N君は実家住まい(埼玉県)なのだが、
日中は家族も留守にしているのだろう。家電も繋がらない。

いよいよN君の身に何かあったのではないか?
とM社の全員が心配になる。

収録前の忙しい時に家まで訪ねる余裕もない。
家族の帰宅を狙い、連絡を取り続けたのである。

言っておくが、M社のみんなはご飯も食べられない程、
時間がない日なのである。

夜になりやっと母親と話すことが出来、状況を説明。

N君は一体!?

何のことはない、普通に部屋で寝ているそう。

やっとのことでN君と話すことが出来たM社のスタッフは、
怒りを通り越して、何がN君をそうさせたのかさらに心配になった。

これまた何のことはない。

理由なんてなかったのだ。

何となく朝起きられなくて、遅刻して行くのも何となく嫌で・・・怒られるだろうし・・・。」

ぼそぼそと話すN君にとりあえず収録後に会社に来るように厳命。

後日、物凄くバツの悪そうな様子でやってきたN君。

寛大が取柄のM社の社長は、頭ごなしに怒ることはせず、
「反省している」と消え入りそうな声で謝るN君にチャンスを与えたのだ。

それからは今まで通り出社を続け、何週間が過ぎて行った。

そんなある日。

2度目の逃亡!

今回は自宅にいなかった。今度こそ何かあったのか!?
だってあんなに反省していたし、まさかまた逃げるなんてことは・・・。

まさかがあったのだ!

またもや何のことはない。
何となく行きたくなくなって、街をうろついていたのだ。

理解出来ないN君の行動に、
「これはもう精神的に不安定なのではないか?」という話しに。

突き放すのは簡単だけれども、M社の社長は放って置くことは出来なかったのだ。

翌日、社への呼び出しに素直に応じたN君に社長は聞いた。

「これから一体どうしていきたいのか?」

N君は「辞めたい」とも「続けたい」とも言わず黙ったまま。
ふて腐れている様子でもないし、何か特に意思がある様子でもない。

結局、誰かが「こうしろ、ああしろ」と言うのを待っているのだ。

社長が「辞めろ」と言えば従うだろうし、「続けてみるか」と言えばうなずくのだ。

ハッキリしないまま突然出社しなかった分の仕事を片付け、
次の日も普通に出社。その次の日はロケがあったが、
N君はついに出社することはなかった。

今度ばかりはM社から連絡を取ることもなかった。
私物は会社に置きっぱなし、精算していない経費もある。
一体どうしろと言うのでしょうか・・・。

2度も温情をかけてくれたM社を最後まで裏切り続けたN君。

実家に居ながら生活に困窮することもなく今も何となく生きているのでしょうか。
もう少し年齢を重ねればあの時の自分の行いを恥じることが出来るのか。
いまだにN君の心配しているM社の人達の心をわかる日が来るのでしょうか・・・。

supprot

≪石川かおり≫

 

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