転職前に確認で「こんなはずじゃなかった」を防ぐ!

2015年11月16日

面接でわからないことを聞く

求人サイトや求人票を見るだけでは会社の実態まではわかりません。

会社の困ったさんや自分と気の合わない人がいるいないなど、社員1人1人のことまで把握するのは無理ですが、せめて求人に書かれていることの真偽は確かめたいものです。

ただ、なかなか個人で採用選考に進んだ場合、面接等で聞きづらいこともあります。

「週休2日は本当ですか?」「残業はどのくらいありますか?」なんて。

よほど良い雰囲気の面接や採用担当者であればそれとなく聞けるかもしれませんが、、、

ましてや、テレビ業界や芸能プロダクション、イベント業界など、休日出勤や残業が常態化している業界・職種では、「そんなことを聞くだけで不合格!」なんてこともありうるのです。

メール10往復!親切丁寧な会社

テレビ番組のアシスタントプロデューサーとして活躍しているAさんは、現在所属している会社に対して色々な不満を抱えていました。

まったく休みがないことや徹夜続きの勤務時間は、業界特性とわかっていてもしんどいものです。
給料や賞与などで、少しでも補填出来れば気持ちも違うのでしょうが、今の会社で3年働いていても昇給も賞与もありませんでした。
テレビ業界以外の友達とはすっかり疎遠になっています。
年に1度も九州の実家に帰ることさえ出来ません。

Aさんは今の会社の前にも同じテレビ番組制作会社で勤務していました。
その時はアシスタントディレクター(AD)として勤務していたので、今よりも体力的には厳しかったそうです。

前の番組制作会社で4年、今の番組制作会社で3年。

来年30歳になるAさんは、「番組制作が好きだから」「やりたいことをやっているのだから仕方ない」と割り切るのも限界に達してきました。

映像制作の仕事を続ける為に、労働環境を整えようと思ったAさんは先月から転職活動を始めたのです。

キャリアトレイン経由である会社を受けることになりました。
番組だけでなく、企業ビデオや各種プロモーションビデオ、WEB動画コンテンツなど、多様な映像を制作している会社です。

一般企業出身の社長で社員もテレビ業界出身があまりいません。
だからなのか、「週休2日制」「10時~19時勤務」「賞与年2回」と、コテコテのテレビ業界ではお目にかかれない労働条件でした。

とはいえ、仕事内容は“映像制作”です。

Aさんは「ほんとに~???」とにわかに信じられない様子でした。

そこで私は採用担当でもある社長に、勤務実態と労働環境、希望給与の実現性、実際の業務分担やキャリアパスについてメールで確認しました。

過去、ある制作会社にこのような質問をして「その子うちには向いていない」と面接前にNGをくらってしまった苦い思い出があります。

Aさんに対する心象が悪くならないように、慎重に質問を重ねていきました。

ところが、私の心配は杞憂に終わりました。

Aさんがきちんと理解出来るように、社長は1つ1つの質問に細かく丁寧に答えてくれたのです。

これまで、ちょっと休みについて聞いただけで「業界向きじゃない」「休みを気にしているようじゃもたない」とか言い放った会社はたくさんありましたが、答えるのがめんどくさかっただけではないでしょうか?
つまり、採用に対して真摯に向かってしないということでは?

多発する「こんなはずじゃなかった」

転職前に聞いていた企業の評判や求人内容と、転職後の実態に相違がありましたか?

転職後にギャップを感じましたか?

入社後に感じた相違点は、結果的に次の転職動機に繋がりましたか?

入社後に感じた相違点は実の転職に繋がりましたか?
エン・ジャパンが行ったアンケートでは、8割以上の転職経験者が入社後に「こんなはずじゃなかった」を経験していることがわかりました。

テレビ業界でも同じです。もっとひどい「こんなはずじゃなかった」があるはずです。

休みや勤務時間はさることながら、仕事内容にも大きなギャップを抱きがちです。

アシスタントディレクターはバタバタ走り回っていると思ったら大間違い、1日中パソコン仕事も多々あるとか。
アシスタントプロデューサーとして入社したのに、実際はアシスタントディレクターのやる仕事ばかりとか。

入ってみなければわからないことも多いけれど、確認出来ることは知ろうとするべきで、会社も伝えるべきなのです。

退職者が異常に多いテレビ業界、入社前の双方確認は絶対のはずです。

その転職は必要だった?

転職しても状況が変わらないのであればあまり意味がありません。
何かを叶えたくて転職したはずなのに、さらに悪化する例も少なくありません。

◎番組ディレクターになりたいTくんの場合
前職の番組制作会社では、上がつかえていてなかなかディレクターに上がれなかったTくん。
ディレクターになれると思って転職した現会社では、前職以上に上がつかえているという事実が。

◎番組アシスタントディレクターのSくんの場合
前職で担当していた番組ではアシスタントディレクターが自分1人だけだったSくん。
負担も大きく、アシスタントディレクターがたくさんいる大型番組を担当すべく転職。
現会社では大型番組を制作しておらず、結局アシスタントディレクターが1人の番組を担当することに。

「転職したい!」という感情に任せて動かず、働くうえで、何が希望で譲れない点は何であるのか。
自分の希望を整理して、転職前に出来る限り確認すること。
きちんと答えてくれる会社との出会いが転職の成功を左右するはずです。

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《石川かおり》

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