【石川かおりの業界人取材レポート】第7回:映像・広告のなんでも屋『クリエイティブ・ディレクター』なるには論

2013年3月27日

クリエイティブ・ディレクターとはなんぞや?

ウィキペディアによると・・・

広告業界におけるクリエイティブ・ディレクターとは、
広告を作る際に組まれるチーム(クリエイティブ・チーム)の最高責任者であり、
立案、企画から制作に至るまでチームを指揮、運営する。
多くの場合、この立場に就くのは広告代理店のクリエイティブ部門または広告制作会社に所属する者である。
クリエイティブ・ディレクターの例として、箭内道彦、梶祐輔などが挙げられる。

ふむふむ。

簡単に言うとそういうこと。

映像制作会社にもクリエイティブ・ディレクターと称するポジションの方もいる。
テレビの世界ではあまり使わないかも知れないが、
テレビ番組以外の映像を作っている映像制作会社ではよく聞く。
CM(広告)、企業のプロモーション映像(企業VP)、ミュージックビデオ(PV)、イベント映像とか。

でもクリエイティブ・ディレクターという響きはかっちょいいけど、
果たして何をやっている人なのか?

ウィキぺにある通り、
最高責任者として、立案、企画から制作に至るまでチームを指揮、運営するのだが、
本質的なところは何なのか?

今日お会いしたクリエイティブ・ディレクターの方はこのように表していた。

「ゼロからの発想で形にする仕事」

日常の何気ない光景にも目を配り、
アイディアとして形にする。

この方は先日、新橋にたたずむサンドウィッチマン(前面と背中の両方に宣伝用の看板を取り付けている人)を見て、新たな広告手法を思いついたそう。
イベントの展示会で話題をさらい、新聞にも取り上げられていた。

某自動車メーカーの新車発表会ではUSTREAMで生中継して何万人もの視聴者を集めた。

超有名アーティストのミュージックビデオやテレビ番組も制作している。

まさに映像に関する何でも屋である。

もちろんアイディア出しやプロデュース的なことだけはない。

利益計算も半端ではないのだ。

どこでなにをどうすればこのくらいの利益が得られる。

これまでの経験値と新しいことを融合させて、きっちり儲ける。
最高責任者であるということはビジネス上も成功させること。
これはあたり前であり、成立しなければ次はない。
非常にシビアな立ち位置なのだ。

では実務的なことは各ポジションの方(外部の会社など)に振るのかというと、
それでは利益を多く得ることは出来ない。
プロデュース、制作管理、撮影、選曲、映像編集などなど、
何足ものワラジを自らが履いているのだから凄い。

きゃりーぱみゅぱみゅの増上寺のマッピングライブだって、
この方のようなクリエイティブ・ディレクターの発想から実現した。
誰も思いつかないけど、面白そうなことを次々と形にしていくのだ。

一方で安易なテレビ以外の広告手法にも苦言を呈していた。

上記のマッピングだって、どこも真似したがる。
それは良いけど、都条例や道交法によりやりたくても出来ない部分のある。
クリエイティブ・ディレクターはそれらのことをすべて認識して、
正攻法を探さなくてはならない。

ニコファーレでイベント?
それも良いけど、対象はプレミア会員?一般会員?
それもわからずただやりたがるクリエイティブ・ディレクターもいる。

クリエイティブ・ディレクターは幅広い知識が必要なのだ。
人の知らないことを知る楽しみがあるとも言っていた。

さて、何だか凄いぞクリエイティブ・ディレクターという感じだが、
この人達だって最初はアシスタントディレクター(AD)からスタートしたのだ。
当然。

ADになりたいと思っている人達も目の前の辛さだけを見るのではなく、
自分の努力によってこんな楽しそうなことが出来るのだということをわかって欲しい。

逆にこのようにやりたいことや世の中に興味を持てない人は向いていないかも知れない。

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