TV番組制作アシスタントディレクターのとある1日

2021年1月27日

「1日の仕事の流れを教えてください」

番組制作会社のAD職の面接でよくある逆質問です。

求職者がこの質問をする意図はこんな理由です。

・入社後の働くイメージを深めたい
・残業がどれだけあるのか確認したい
・働く意欲をアピールしたい

実際にどんなことをするのか知りたいだけという単純な理由が多いかと思いますが、実は番組制作会社としては答えづらい逆質問でもあります。

それは、番組制作ADは毎日同じスケジュールで働いてはいないからです。

また、同じADでも配属先の番組によってスケジュールややることが異なります。

冒険系の番組を担当していたADさんは、1ヵ月の半分は山にこもっていました。

一方、情報番組を担当していたADさんは、ほぼルーティンワークでスケジュールが決まっていました。

「収録がある時はこうで・・・」「何もない時は社内でこうで・・・」と細かく説明することは出来ますが、例に挙げた日だけを切り取られても困ります。

マスコミ・エンタメ業界ではあるあるですが、某芸能プロダクションのマネージャー職面接では、「1日の仕事の流れ」を逆質問する求職者は不採用となってしまいます。

芸能マネージャー職は1日として同じスケジュールで動く日はなく、その場に応じて変化し、臨機応変に動くことを求められるからです。

とは言え、何人かのADさんにどんなスケジュールで働いているのか聞いてみました。

番組制作ADの1日

自社制作中心の番組制作会社で働く3人のADさんの1日の仕事の流れをご紹介します。

担当番組、会社のルール、任されている仕事などによって、同じADさんでも1日の仕事の流れはまちまちです。

そんなADさん達のとある1日は、ざっくりですがこんな感じです。

■バラエティ番組のAD
Nさん(23歳)は週1で放送されているバラエティ番組を担当しています。
自社制作を中心にしている会社の為、勤務場所は自社内です。

11時 出社したらメールチェックや企画会議の準備など
13時 担当番組の企画会議に出席
15時 昼食
16時 取材予定先やカメラなどのレンタル機材屋などに連絡
17時 次回ロケを予定している企画のリサーチ(ネット検索と電話取材が中心)
19時 ディレクターとの打ち合わせ、指示を受ける
20時 今日中に終わらせなければいけない仕事を終わらせて、追加で発生した仕事を整理
21時 ディレクターや先輩ADに確認して何もなければ退社

■報道番組のAD
Sさん(25歳)は月~金で放送されている朝の生放送情報番組を担当しています。
曜日毎に担当が分かれているこの番組では、Sさんは金曜日の担当ADです。
所属している番組制作会社から某テレビ局に派遣されています。

木曜日
12時 テレビ局のスタッフルームに出社
13時 映像素材や写真の準備、テロップやナレーション入れの手伝い
15時 昼食
16時 映像の変換や編集の手伝い、VTRの仕上げ
19時 スタジオボードなど、スタジオで出す物の準備
22時 夕食
金曜日
25時 オンエア前準備(新聞切り取り、カンペ準備など)
28時 スタジオでリハーサル準備
30時 リハーサル(バミリなど)
32時 本番(Q出し、テロップ・VTR出しなど)
34時 オンエア後の片付け、反省会など
36時 帰宅
※36時は午後12時です!

怒涛の徹夜勤務を終え、金曜の半日+土曜と日曜がお休みになります。

曜日班で勤務出来る報道・情報系の番組は結構決まったスケジュールで毎週毎週繰り返されます。

バラエティ番組の担当になると、追加ロケや試写で直しが入ったり、1週間(1日)のスケジュールが読みにくくなります。

また、普段担当している番組に加え、特番が入ってくる時期は番組を掛け持ちすることもあります。

番組制作会社に就職・転職した際、自分がどのようなパターンになるのか想像はしづらいかと思いますが、超多忙パターンもあれば比較的落ち着いている日もあるというイメージを持っていただければと思います。

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<石川かおり>

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